EarWerkzのカスタムIEM「LEGEND R」をご紹介、ハマる人はとことんハマる独特なイヤホン!

今回は筆者が先日購入したカスタムIEM「LEGEND R」をご紹介します。
米EarWerkzのフラッグシップである本機は、低域2・中域3・高域3の計8ドライバーを搭載、7Way・6クロスオーバーという非常に珍くも怪しいスペックで発表時に注目を集めました。
が、日本国内に販売店・代理店がないことから試聴が行えず、なかなか手が出しにくい機種となってしまっています。さらに、海外も含め購入者の感想が賛否真っ二つに分かれている事も、購入に踏み切れない大きな要因となっているようです。

ということで、本エントリーではそんな未知なる「LEGEND R」をできるだけ詳しくご紹介できればと思います。

耳型の採取と注文・発送

まず、インプレッション(耳型)ですが、筆者は池袋の「エーストーン」という補聴器屋さんで採ってもらいました。ここは2組6,000円で採取ができるオススメの店舗です。耳型採取には電話での予約が必要となります。
EarWerkzは口を1~2インチ開けて採取する事を推奨しているようですが、過去の「LEGEND R」購入者によるとノズルが長めでキツ目のフィット感になるとあったので、筆者は意図的に口は開けず自然な状態で採取してもらいました。

エーストーン

制作期間は10~15営業日程度

IEMの発注につていはその他メーカーとなんら変わりありません。デザインを決めてお金を払って発送するだけです。今回はインプレッションが2つあるので、「どちらか形の良い方を使って」と伝えた上で2つとも発送しました。できるだけリフィットは避けたいですからね。

インプレッションは3/20に発送し、EarWerkzのラボに到着したのは3/24でした。おおよそ10~15営業日で完成すると伝えられるのみで、進捗状況の共有はありません。後はひたすら待つだけです。
筆者の場合は、ピッタリ15営業日となる4/14に製品が発送されました。配送はDHLで、4/16に到着しましたが、その時は受け取れなかったので、実際に手元に来たのは4/17です。
数ヶ月待ちが当たり前なカスタムIEMの制作で、発送から到着まで3週間しかかからないのは、かなり早い方と言えるでしょう。

製品の紹介

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こちらが届いた製品です。内容は「LEGEND R」本体、ペリカンケース、マカロンケース、ロゴ入りクロス、クリーナー、ロゴステッカーです。

デザインはあまり選べない

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EarWerkzはあまり選択できるデザインがなく、シェルカラーとフェイスプレートカラーのみとなります。筆者は右を「ターコイズ」、左を「マゼンタ」、フェイスプレートをブラックで制作してもらいました
シェルには気泡などなく、「驚くほどの透明度」というわけではありませんが、中のドライバーが確認できる程度のクオリティーはあります。個人的には十分なレベルです。

8ドライバーながらコンパクトな本体

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ケーブルのコネクター部が特徴的で、FITEARのようにフェイスプレートにコネクターが配置されています。これはフェイスプレート部にネットワークが組まれている為で、これにより8ドライバーながらコンパクトな筐体を実現しています。

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4ドライバー搭載のくみたてLAB「KL-カノン」と比べても、「LEGEND R」の方が薄いです。

また、このフェイスプレートの仕様により、市販されているケーブルの一部は、コネクター部が干渉して使用できない場合があります。
リケーブルを考えている方は、「市販ケーブルを使いたい」旨を伝えれば、それを考慮して制作してもらえます。

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ボアは3つ。ノズルにフィルターなどはないので、定期的に掃除をした方がよいでしょう。

フィット感は大変良く、まさに「ピッタリ」というイメージです。耳型採取時に口を開けなくて正解だったようです。ただ、ピッタリ過ぎて初めのうちは取り外すのに少し手間取りました。その分、遮音性は非常に高いですが。

音質について

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では、肝心の音について。使用したDAPはCalyx Mです。一聴して非常に独特な鳴り方する機種だと思いました。
いわゆる音場がとても広く、ボーカルは生々しい。スピーカーで聴いているような印象を持ちました。分離もよく細かな音もよく拾い、残響感はとてもリアルです。アコースティックギター1本の曲なんかでは、弦の震える感じまで聴き取れるような生々しさがあります。

低域は量感があり、ベースやバスドラムが豊かに鳴ります。ただ、多少ボワついた感じもしますね。高域は「キラキラ感」とか「どこまでも伸びる」といった特徴はありませんが、十分な量はあると思います。「高域が全く出ない」とのレビューを見かけたことがありますが、筆者は特にそういった印象はありません。

ドライバー構成から、中高音域が中心なのかと思いきや、低中音域に特徴があるのは驚きでした。
また、EarWerkzは50時間のバーンインを推奨しています。正直、バーンインよりも耳の慣れの方が影響は大きいと思いますが、しばらくすると低域のボワついた感じがなくなり、スッキリと聴こえるようになりました。
全体的なフォーカスも合い、よりバランスが良くなったと感じました。

また、バランス環境で聴くと低域が締まり、タイトに鳴るバスドラムが心地良く、ボーカルが一歩前に出てより生々しい表現になります。


と、何やかんや書いても実際に聴かないことには分からない事が多いと思いますが、今月よりe☆イヤホンがEarWerkz製品の取り扱いを始めるようです。試聴の際は、是非バランス環境での試聴をオススメします。

音質的な評価は本当に賛否両論で、海外レビューではあのK10やロクサーヌよりも良い、もしくはそれに迫るとの評価も見かけます。e☆イヤホンでの取り扱い開始により、日本での評価も固まってくるとは思いますが、筆者としてはとても満足している製品です。価格は1,129ドル(約14万円)と、イヤホンとしては高額ですがオススメの1本です。

また、先日「LEGEND R」の上位機種となる「LEGEND OMEGA」が発表されました。ドライバー構成は変わらず、8Way・7クロスオーバーに仕様変更しています。「LEGEND R」所有者であれば+200ドルでアップグレードできるようなので、こちらもその内試してみたいですね。

EarWerkz

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執筆:はとさぶれ
オーディオ系を中心に執筆していますが、スマートフォンやアプリにも興味があります。

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