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Nexusに搭載で普及が加速されるか!? 次世代インターフェースの本命「USB Type-C」のいま

大型商品としては今春のRetinaディスプレイを搭載するApple MacBookにて採用されたことで注目を浴びた次世代インターフェース、USB Type-C。本日発表されたNexus 5XとNexus 6P(過去記事)や発売中のGoogle Chromebook Pixel、近々発表予定のMicrosoft Surface Pro4(過去記事)にも搭載が噂されるなど、採用機器が増えています。

しかしながら、いつもなら搭載機器が発売される前から登場する周辺機器類について、今回は動きが遅いようにも感じます。現在発売中の製品、そしてまもなく登場すると思われる製品について今どうなっているかを確認してみたいと思います。

USB Type-Cとは!?

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最近目にする機会の多いUSB Type-Cは、2014年8月に「USB Implementers Forum」によって規格化されたケーブルとコネクタの種類を指しています。そのコネクタの大きさは横8.34×縦2.40mmの楕円形で、AppleのLightningコネクタやmicroUSBコネクタと同じ程度の大きさとなっています。転送速度についても規格上では10Gbpsの伝送速度を可能にするUSB 3.1をサポートしています。

ただし、USB Type-Cであれば全ての製品がUSB 3.1をサポートするわけではありません。その点ついてはスペックとコネクタ形状や機能をわけて考える必要があります。

何故、USB Type-Cが注目されているの?

現在USB Type-Cが注目を浴びているのは転送速度などのスペックよりも、様々なケーブルの役割をこのコネクタ1本でカバー出来るという部分です。そういった点で、USB Type-C規格よりもUSB Type-Cコネクタが注目を浴びているともいえます。今回は主にその点について確認してみたいと思います。

リバーシブル構造である

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USB Type-Cは上下対象な構造のコネクタですので、Micro-Bコネクタのように挿す向きもありません。iPhoneのLightningコネクタのように上下どちらの向きでも挿す事が可能です。
ですので、暗い場所でも方向を確かめたりする必要がなく使い勝手が向上しています。

ノートパソコンなどの充電もサポートする

macbook

今までのUSB給電では電圧が5Vで、流せる電流も最大500mA程度でしたが、これをUSB Type-Cでは大きく拡張し、ノートパソコンなどの充電にも用いることが可能になりました。

特に、USB PD(Power Delivery)では電圧20V、消費電力100Wまでもサポートします。これにより、データ転送はUSBケーブルで行い、電力供給は別途ACアダプターを繋げていたような周辺機器も今後はUSB Type-Cケーブル1本ですむようになっていくと思われます。

USB Type-C周辺機器の現状

そんなUSB Type-C、MacBookの登場からだけでも既に半年程度経過していますが今までのUSB規格と比べ対応機器の登場は遅れているようです。

ただ、開発のアナウンスが行われているなど発売に向けた動きは活発ですし、先にも書いた通り採用機器が今後増えてきますので、それとともに参入企業も増えてくると思われます。ここではジャンル別に現状を確認してみたいと思います。

ケーブル類

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まずは最も一般的な使用方法である、機器間を繋ぐケーブルですがこれについてはELECOM、Anker、BELKINなど多くのメーカーから登場しています。種類としては下記のような製品が発売されています。

  • USB-A to USB-C
  • USB-C to USB-C
  • USB-C to Micro-B
  • USB-C to Mini-B
  • USB-C to USB-A Adaptor
  • USB-C to USB-B

しかし、iPhoneなどに搭載され、待っているユーザーも多いと思われるLightning端子対応品についてはまだ大手メーカーからは発売されていません。一部マスメディアにおいて試験的に自作した記事が見られますが、一般的には難しいと思われます。こちらについては今後の発売が待たれる状況です。

充電関連製品

anker powercore

次に、新しい規格であるUSB PD(Power Delivery)に対応した外部バッテリーやACアダプターなどですが、こちらも3rd Partyから対応品は発売されていません。

通常のUSB-A to USB-Cケーブルを用いて充電を可能にしたcheeroのPower Plus 3 Premium 20,100mAhや、Ankerのバッテリーとケーブルの組み合わせによっては充電が可能なようですが、USB PDに対応したものではない事から、ACアダプター経由よりも充電に時間がかかるようです。

それでも、今までは出来なかった事が出来るようになったわけですから、イザという時の備えとしては嬉しいですね。この充電関連製品については、下記の製品の発売予定がアナウンスされています。

  • HyperJuice USB-C対応ケーブル(2015年10月7日発売予定)
  • Anker PowerCore+ USB-C対応バッテリー
  • Anker PowerPort+1 USB-C&3ポートUSB搭載ACアダプター
  • Voltus USBハブ搭載USB-C対応外部バッテリー

USB PD対応製品については、USB Type-C対応機器の中でも最も開発が難航しているようで、その原因として制御コントローラーの供給が遅延している事や価格がネックになっているともいわれています。
国内ではルネサスや、海外ではTIなどがこのコントローラーを開発しているようですので年末と噂される販売開始時期を待ちたいと思います。

ネットワークアダプタ

network

ネットワークアダプタとしてはAnkerからイーサネットアダプタを内蔵したUSB-C & 3ポート USB 3.0 ハブが既に発売されていますが、こちらもUSB PD対応のUSB Type-Cポート搭載モデルは「発売予定」にとどまっていますので、こういったところにもUSB PD対応遅延の影響が出ています。

グラフィック関連

apple usb-c hdmi

HDMIアダプタやディスプレイポート対応アダプタなど、グラフィック関連の対応商品の登場も予想されます。
現在はApple USB-C Digital AV Multiportアダプタ及びUSB-C VGA Multiportアダプタなどしか無く、価格はどちらも9,500円と高めとなっていますので3rd Partyの製品が待たれるところです。

USB Type-C対応ハブ

hub plus

USB Type-C対応ハブとしてはKickstarterにて複数のプロジェクトが立ち上がったりしましたが、現在は発売に向けて開発が続いていると思われるのは以下の3つだけになっています。

  • Anker USB-C ドッキングステーション
  • HUB+ for USB-C
  • HydraDock

発表直後には複数のメディアで注目を浴びた「Branch」なども結局キャンセルされました。

その他の製品

infinite

ハブではありませんが、複数のケーブルや端子を接続できる製品もあります。

  • infiniteUSB infiniteUSB-Cシリーズ
  • Cusby USB-Cモジュラー拡張アダプター

しかし、こちらの登場も遅れているのが現状です。

このように、登場が待たれる製品も多いのが現状ですが、搭載機器は増えていますので今後登場する製品を楽しみに待ちたいと思います。

Anker
BELKIN
cheero
act2
HUB+ for USB-C in Kickstarter
HydraDock in Kickstarter
Cusby USB-Cモジュラー拡張アダプターin INDIEGOGO
expertreviews

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執筆:るうと
ZAURUS PI-6000から始まり、Palm Treoを愛用して現在はApple Productsと楽しく過ごしています。

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