スマホでエスプレッソが淹れられる「Nespresso Prodigio」レビュー、抽出から専用カプセルの購入までスマホで簡単!
Bluetoothでスマートフォンと連携し、エスプレッソの抽出やタイマー予約、専用カプセルの個数管理、メンテナンス時期やエラーの通知をしてくれるエスプレッソマシン「Nespresso Prodigio(プロディジオ)」が値下がりしていたので購入しました。一通りの機能を使ったので使用感をレビューします。
専用カプセルによりユーザーの腕に左右されることなく、誰でも美味しいエスプレッソを楽しめ、後片付けもすごく簡単。専用カプセルもアプリからスムーズに購入可能です。
外観と付属品
インテリアとしても落ち着いた色映え
カラーはシルバーとチタンの2種類で、私はチタンを購入しました。チタンカラーはテカりの少ない鈍色で非常に落ち着いていて指紋なども目立たない色合いです。
右側面と左側面はほぼシンメトリーで、凹凸も少なく外装のパーツ点数やボタンも極力減らしてありデザイン的にも無骨で秀逸です。”家電”臭さが少なく、インテリアとして部屋に置いても違和感がありません。個人的にはエスプレッソが出てくる抽出口の形状が非常にキュートに感じます。
後部に見える筒は水タンクで、左右に稼働し置き場所を選ばないので、地味ながらも嬉しい設計です。
付属品について
付属品は説明書とクイックガイド、定番販売されている23種類のカプセル一覧表、水の硬度チェッカー(本体に張り付けてある2本の帯)、16種類のカプセルが入ったアソートパック、オンラインストアや会員登録の案内2冊。
カプセルの一覧表はカプセルの種類と特徴が記載されていて次回購入時に役立ちます。アソートパックに入っているカプセルは、普通に購入すると1個80円くらい。
美味しいエスプレッソを飲むための準備
アプリをインストールし、ネスプレッソクラブの会員登録をする
連携用アプリをApp StoreやGoogle Playからインストールします。
このアプリ1つでProdigioとの連携だけでなく、カプセルの購入や販売店の検索などができるようになっています。
特にカプセルの購入はすごく楽で、アプリ内から欲しい商品を欲しい数だけ入力して、支払方法を選択するだけという手軽さです。1個から注文できるので、好みの味のカプセルだけを注文することもできます。
アプリの初回起動時に、右上にある[マシンとペアリング]を押すと、ネスプレッソクラブのログインを要求されます。Nespressoの購入は今回が初めてなので会員登録をします。ネスプレッソクラブのアカウントは、氏名やメールアドレス、住所、連絡先が必要です。
本体の電源を入れ、ペアリング
プロディジオは、カプセル挿入口のレバーを動かしたり、ボタンを押すと電源が入るようになっているので、何かしらボタンを押して電源を入れます。
アプリの画面下にある[プロディジオとペアリングする]をタップ。本体に特別な操作は必要なく、電源が入った時点でペアリングがされるようになっています。
本体を探し始めるので本体に近寄ってあげます。
本体にシールで貼ってあるシリアルナンバーとアプリに表示されているものが相違ないか確認し、[このコーヒーメーカーの設定をする]をタップ。
「マシンに名前を付けてください」といわれるので、何か名前を付けてあげましょう。
水の硬度測定が興味深い
名前の設定が終わると、水の硬度設定の画面になります。
本体に貼り付けてあったチェッカーを剥がし、マシンで使う水に1秒ほど浸すとチェッカーの色が変わります。使った回数でメンテナンスのタイミングをわかるようにする機能なので、普段使う水で硬度を測りましょう。
このレベル表と見比べると0以上1未満なので1ということにします。
内部でミネラルが結晶化すると、エスプレッソが上手く抽出できなくなるため、専用の洗浄液での洗浄が必要になります。ここで硬度を設定しておけば、メンテナンス時期をスマートフォンに通知してくれるという非常に賢い機能なので、ちゃんと設定しておきましょう。
湯通し洗浄
初回の湯通し洗浄もスマートフォンから行えます、タンクに水を入れ、カップをセットし抽出開始ボタンを押します。
これを3回ほど繰り返すと、「エラー:前回のコーヒー抽出からカプセル挿入口を開いていません。Erro code:#1032」というエラーが表示されます。通常、使用済みカプセルは自動で排出されるため、カプセルの入れ忘れを防止する機能でしょう。エスプレッソを2杯分淹れたい時に、間違えてお湯だけ出して薄めてしまうなんてこともなくいいんじゃないでしょうか。
やっと抽出開始
随分と長い道のりに感じましたが、やっとエスプレッソが飲めます。ガジェット好きとしては初期設定にもワクワクしますが、流石に少し時間がかかったなと思います。
本体上部にあるレバーをスライドするとカプセル挿入口が開くのでそこにカプセルを入れます。バネの力か磁力が働いていて、不用意にレバーが動くことはない安心設計になっています。カップサイズにエスプレッソサイズを選んで抽出開始。
動作音は意外にも大きく、音の種類としては音波洗浄機のようなジジジと小刻みに鳴る音です。できあがりの文字が画面に表示されると共にカプセルが排出されて、コロンと音がしたら抽出完了です。
表面の泡の膜をクレマと呼ぶのですが、これが丁度いい分厚さで出ていると上手に抽出できたサインです。他のマシンにも劣らない出来栄えです。
片付け
片付けときくと非常に億劫になるのですが、非常にシンプルで時間がかからないのもプロディジオのウリです。
自動的に排出されるカプセルは、抽出口の奥のコンテナに収納されているので、トレイを軽く引っ張るとコンテナが出てきます。
カプセルを捨て、本体の湯通しを再度行い、カップトレイや水タンクを洗って電源を切るだけで片づけは完了です。
プロディジオの便利な機能
スケジュール機能
スマートフォンで目覚ましをセットするのと同じぐらい簡単にスケジュールを設定できるようになっています。
設定は非常に簡単で、抽出開始の時間とカップサイズを選ぶだけ。時間を編集したりキャンセルしたりすることもできます。スケジュール設定をしているときに、手動で抽出ボタンから抽出すると、設定したスケジュールはキャンセルされてしまうので注意です。
外出する数分前にスケジュールを設定しておけば、そこそこの音を鳴らしながら動き始めるマシンを合図に気持ちを切り替えエスプレッソを飲み外出!のように使えるのではないのでしょうか。
朝起きる時間に抽出し、朝一番にエスプレッソを飲むというのも優雅なものだと思いましたが、液体の量が少なく、1分もすると冷めてしまうので個人的には微妙です。
スマホ連携ならではの賢い通知機能
カプセルの残数を管理してくれる
湯通しの時などは残数が減らず、カプセルをセットし自動排出されたタイミングで数を減らしてくれるようです。
本体と接続が切れていても、カプセルの残数はアプリで確認できるので、外出時に何個買い足せばいいか考えやすいと思います。
メンテナンスのタイミングを教えてくれる
水の硬度設定で忘れがちな湯垢洗浄のタイミングを通知してくれて、清潔に保ち美味しさを維持できます。
日本の水は基本的に軟水なので、めったに洗浄のタイミングはやってこず、スパンが長い故にこういった通知機能が大変ありがたいです。
水タンクの残りを教えてくれる
本体上部の赤いLEDが小さく光るだけなので見逃したり、点滅や点灯の意味が説明書を読み直さないとわからなかったりします。スマートフォンと連携していれば、画面に各種ラーメッセージを出してくれるので非常にわかりやすいです。
せっかくのスマホ連携なのに……と思うところ
なかなか使い勝手のいいプロディジオですが、せっかくスマートフォン連携しているなら、他の機能もスマートフォンからしたい、というところがいくつかあります。
例えば、本体にはルンゴ、エスプレッソ、リストレットの3種類のボタンがついているだけで、電源を落とす動作や乾燥モードなどはボタンの同時押しや長押しが必要です。電源を落とすだけにしても、ルンゴボタンとエスプレッソボタンを同時に3秒間押し続ける必要があり、ややこしさを感じます。また、本体内部の水を抜き清潔にするための乾燥モードは、ルンゴボタンとリストレットボタンを6秒間長押しする必要があります。
組み合わせや押す秒数を覚えるのが大変で、さらに同時押しのタイミングが微妙にシビアなため、普通に湯が出てきてしまったりとなかなかに難しいのです。これらのボタンをスマートフォンの画面の中に押し込めてくれれば、椅子から立ち上がらなくても手入れをすることができるわけです。
せめて電源を落とすのぐらい、スマートフォンからできませんかね。今後のアプリのアップデートで対応してくれることを期待したいです。
エスプレッソマシンとしてもちゃんとしてる
プロディジオは、スマートフォンとの連携による抽出や後処理の手軽さだけじゃなく、エスプレッソマシンとしてもちゃんとしています。
そもそもエスプレッソは、ドリップコーヒーとは違い、極細挽きのコーヒー豆に圧力をかけたお湯を一気に放出し、コーヒーの美味しい部分だけを贅沢に抽出するものなのですが、ここで重要視されるのが圧力の強さです。
通常、エスプレッソが美味しく抽出できるとされている気圧は、”抽出時”に9~10気圧といわれています。ほとんどのエスプレッソマシンは、ポンプ圧力は15気圧ほどの強さで、抽出時に9気圧ほどで抽出されます。
Nespressoシリーズに抽出時の気圧の表記はありませんが、下位モデルのイニッシアからプロディジオまでポンプ圧力は19気圧になっており、カプセルに入っていることなども考慮しても9気圧ほどで抽出していると思われエスプレッソマシンとして十分な性能を持っていることになると思います。
ネスプレッソはユーザーの腕を必要としない
機械に合わせた豆の挽き方の微調整もないですし、なによりも豆を専用のフィルターに適度な強さでしきつめるタンピングという作業も必要ありません。
専用カプセルというと一見取り回しの悪いように思えますが、味を大きく左右する作業をユーザーはする必要がなくなり、手軽にかつ美味しくエスプレッソが淹れられます。
僕はエスプレッソ用の細かさでコーヒー豆を挽く機械は持っていませんし、タンピングの力加減や豆の量、湯の温度調節など細かいことは知りませんし、知っていてもできないことが沢山あります。
プロディジオならこれらの小難しい作業をスマートフォンのボタン1つで解決することができるのです。
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