「Xperia XZ Premium」レビュー、圧倒的進化に感動! 問題点もあるけど、隙のない“最強Xperia“
2017年6月16日にドコモから発売された、ソニーのフラッグシップモデル「Xperia XZ Premium SO-04J」を購入しました。
購入から数日間使ってみて感じたことを、これまで使用していた「Xperia Z5 Premium SO-03H」との違いをメインにレビューします。
Z5 Premiumが発売から1年半経っているだけあり、格段に満足度が上がっています!
Xperia XZ Premium SO-04Jの同梱物と価格
内容物は説明書類とイヤホンジャックに差して使うテレビ視聴用アンテナだけ。残念ながらUSB Type-Cケーブルや変換アダプタは同梱無しです。
本体価格は93,960円と最高水準。
これにMNPであれば月々サポートが3,267円x24ヶ月で実質15,552円。新規・機種変更だと月々サポートが2,025円x24ヶ月で45,360円。(2017年6月16日現在)
「Xperia XZ Premium」はドコモだけの取り扱いということもあり、これを餌に他者からMNPしてきて欲しいと思いががんがんと感じられるMNPの優遇っぷりですね。
プレミアムなハイスペック
OS | Android 7.1 |
---|---|
CPU | Snapdragon 835 Qualcomm MSM8998 2.45 GHz(クアッドコア)+1.9 GHz(クアッドコア) |
RAM | 4GB |
ROM(内部ストレージ) | 64GB |
ディスプレイ | 約5.5インチ、解像度:4K 2160×3840 |
カメラ | メインカメラ:1920万画素、フロントカメラ:1320万画素 |
バッテリー容量 | 3230mAh |
サイズ・重量 | 高さ 約156mm x 幅 約77mm x 厚さ 約7.9mm、約191g |
カラー | Deepsea Black、Luminous Chrome |
その他 | 指紋認証、PREMIUM 4G(受信最大788Mbps)、VoLTE、HDR動画再生機能、防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP6X )、ワンセグ/フルセグ、おサイフケータイ |
価格だけでなく、スペックもSoCにSnapdragon 835、4GBの大容量RAM(メモリ)と最高水準。ブラウジングはもちろん、負荷の高い3D系ゲームもサクサク動いて、Z5 Premiumほど熱くもならないし、何の不自由も感じません。快適。
AnTuTu Benchmarkの結果は172348(3D:70619、UX:54073、CPU:36701、RAM:10955)。Z5 Premiumのスコアが69516だったので、ベンチマーク結果からも圧倒的にスペックアップしてることがわかります。
【スペック】Xperia Z5 Premiumとの比較
個人的にスペックアップによる恩恵を特に感じたのは、ストレージの高速化と容量アップです。
XZ Premiumでは、従来のeMMCからUFSとなり、ストレージの読み書きが高速化。
その結果、Z5 Premiumに感じていた写真やスクリーンショット(無駄に4K解像度のスクリーンショットを保存してしまうので容量大)保存時の待ち時間を感じなくなったのは地味に嬉しいポイントです。
SDカードや内蔵ストレージの読み取り/書き込み速度ベンチマークアプリ「A1 SD Bench」を使って試してみたところ、Read 566.22MB/s、Write 208.68MB/sでした。Z5 Premiumが(1年以上使ってきたので多少のヘタりはあるけど)Read 69.51MB/s、Write 21.43MBsなので、圧倒的に高速化していることがわかります。
また、容量はZ5 Premiumの32GBから、64GBへと倍増。
きっと多くの購入者は、とりあえず面白がってスーパースローモーション動画を撮影するはずなので、64GBあればとりあえず安心ですね。さらに、microSDXCカードの最大対応容量も200GBから256GBに増えています。
鏡面仕上げの美しいデザイン
上下に大きな縁とスピーカー。
Z5 Premiumでは、側面との境に少し段差があったので、端の方をスワイプすると指に引っかかりがあったのですが、XZ Premiumではそれが無くなってるため、気持ちよく端までスワイプできます。
背面はブラックカラーでも、鏡のように使えるほどツルツルでピカピカで滑らか。
カメラ部分はほんの少しだけ盛り上がっています。FeliCaの位置は真ん中より下寄り。決済に使う時には、本体を少し浅く持って、真ん中を読取機に押し付けるイメージです。
音量キーと電源ボタンが近いので、少しスクリーンショットが撮りにくくなった印象。
左側はSIMトレイがあるだけで、ボタン類は無し。
microSDカードとSIMカードのトレイが独立。
個人的にストラップホール無しは、とても残念。
軽く身だしなみをチェックする程度に十分使えます。
約5.5インチと大きめなので、成人男性であればガッチリ持てると思いますが、女性や手の小さい人だとちょっと大きすぎと感じでしまうかも。
側面は丸みを帯びてるので、手に持った際にしっくりくる形状です。
【デザイン】Xperia Z5 Premiumとの比較
ほとんど同じサイズ感ですが、側面が丸まったデザインになったことで、手に持った感じが大きく変わりました。従来のXperiaのカクカクした感じに比べ、だいぶ滑らかな持ち心地です。
重さは約10g増えたことにより、初めて持ったときはその重さの違いを感じましたが、すぐに慣れました。
Xperia XZ Premiumの特徴
4K HDR対応ディスプレイが美しすぎる
そもそも4Kディスプレイを使っているスマートフォンがほぼ無いなか、XZ Premiumのディスプレイは世界初となる4K HDRに対応しました。HDRに対応することで、輝度の幅が広がり映像がより美しく見えるようになっています。
Z5 Premiumに最初から入っている4K動画を見たときも、その綺麗さに驚きましたが、XZ Premiumは、さらに圧倒的な美しさです。
写真越しだと伝わりにくいと思うので、ぜひ家電量販店やドコモショップに行って、この美しさを肉眼で体験してください!
スーパースローモーション動画撮影が楽しすぎる
道路でスーパースロー pic.twitter.com/4CKJxtvDtV
— あんそく (@android_sokuho) 2017年6月20日
山手線をスーパースロー pic.twitter.com/eKHWH9xnMe
— あんそく (@android_sokuho) 2017年6月20日
鮨屋でスーパースロー pic.twitter.com/mIWX3IpMTn
— あんそく (@android_sokuho) 2017年6月20日
水風船とスーパースロー pic.twitter.com/CexnsAOP4T
— あんそく (@android_sokuho) 2017年6月20日
ソニーが開発した世界初のメモリ積層型イメージセンサーによって、通常動画(30fps)の約32倍のスーパースローモーションが撮影できるようになりました。現在は先に発売した「Xperia XZs」と、この機種にだけ搭載されています。
ぶっちゃけ何に使うか、と聞かれると「これ」といったものが思いつくわけではないのですが、日常の風景をいつも持ち歩くスマートフォンでスーパースローで撮影してみると、なんか新鮮で楽しいです。食事の場とかで遊べば確実に盛り上がると思います。
でも、万能じゃないスーパースローモーション
スーパースローモーション撮影はとても楽しいですが、新しい技術だけあって、色々な限界があり、「誰でも、どこでも、どんな瞬間でも」綺麗にスーパースローモーションを撮影できるというわけではありません。
スーパースローモーションのタイミングマジで難しい pic.twitter.com/pglcWBCay4
— あんそく (@android_sokuho) 2017年6月16日
スーパースローでの撮影は、スーパースローで撮影したいタイミングでボタンを押す必要があり、これがなかなかシビアです。ボタンを押したあと1~2秒がスーパースローになるだけなので、早すぎても遅すぎても狙ってないところがスーパースローになって残念な動画ができあがります。(それはそれで楽しかったりはするのですが…)
上の水風船の動画では、3回ほど失敗してようやくそれっぽいものが撮れました。やり直せない1発勝負のものを、100%成功させるのは結構練習する必要がありそうです。
また、動画の暗さも気になります。960fpsの高速撮影をするため、1フレームあたりの取り込める光量が少なくなってしまうため、撮影動画が暗くなってしまいます。さらに、暗いところで撮影すると、ISO感度が上がりまくってすごくノイズが乗ります。他にも、蛍光灯など、実は目に見えない速さで明滅している照明下での撮影では、蛍光灯のチラチラが乗ってしまいます。
あとは、スーパースローモーション撮影だと画角が狭くなります。近いものを撮ろうとすると、ちょっと苦労します。
このあたりは、ハードの問題だと思われるので、今後のイメージセンサー技術の進化に期待しましょう。スーパースローモーションすごく楽しいので、XZs、XZ Premiumだけで終わらないことを祈ります。
ベストな瞬間を逃さない「先読み撮影」が便利
先読み撮影は、被写体の動きを認識すると、シャッターを切ったタイミングから巻き戻って写真を記録する機能。
例えば、花を撮影しようとした際に風が吹いて被写体が動くと、自動で先読み撮影が発動して、「先読みでこれも撮ったけどどれ保存する?」と聞いてきます。無駄な写真を何枚も撮る必要がなくなりそうです。
細やかなバッテリー周りのソフトウェア
Z5 Premiumに比べ、バッテリー周りのソフトウェアが随分強化されました。
スペックシート上では、最新規格であるQC3.0に対応し急速充電ができるようになっただけに見えますが、ソニー独自のSTAMINAモードがさらに進化して、電池残量が無くなるまでの時間表示や節電レベルの設定ができるようになっており、充電したバッテリーをどれだけ有効に使うかという視点が強化されているように感じました。
また、バッテリーの劣化を少しでも抑える「いたわり充電」があるので、長く使い続けることができそうです。最近のスマートフォンは、気軽にバッテリー交換することができないので、こういう心遣いはありがたいですね。
新しいカメラシステムでカメラ性能は大幅強化
Z5 Premiumと比較して、フロントカメラは約510万画素から約1320万画素と大幅にアップしています。
一方、メインカメラは画素数としては約2300万画素から約1920万画素へと減っています。しかし、カメラの性能は画素数だけで語れないもので、新しいカメラシステム「Motion Eye」と新型イメージセンサーによって、格段に良くなったと感じました。
特徴的なスーパースローモーション動画や先読み撮影も非常におもしろいですが、肝心の画質部分のカメラの性能について、作例とともに紹介します。
※写真はすべて「プレミアムおまかせオート」で撮影。クリックすると拡大できます。
拡大してしまうと粗さを感じるところはありますが、色味はとても鮮やかで綺麗だと思います。また、暗いシーンでも結構明るく撮れている印象です。
カメラの歪みはある
先に発売していた海外版から多数の報告がある写真が歪む問題ですが、検証してみたところ、私も確認できました。
料理などを撮影すると分かりにくいですが、直線上のものを撮影すると歪みがあることがよく分かります。ハードウェア的な問題だったら、残念ながらもうどうしようもないですね。
総評:長く使い続けられる、隙のないプレミアムスペックスマートフォン
初のPremiumを冠にした「Xperia Z5 Premium」に感じられた小さな気になることが確実に改善されていて、最新プロセッサに大容量メモリ&大容量ストレージ、新型カメラ、世界初ディスプレイ、USB Type-C(USB 3.0)、QC3.0、PREMIUM 4G、VoLTE、DSEE HX、LDACとこれがプレミアムなスマートフォンだ!と言わんばかりのフルスペックぶり。
個人的にいまいちだなと思ったのは、写真が歪むこと、ストラップホールが無くなったこと、FeliCaの位置が下寄りになったことの3点。写真の歪みに関してはどうしようもないですが、ストラップホールはケースを購入することで解決し、FeliCaの位置はだんだん慣れてきました。
特に写真の歪みに関してはネット上で色々言われてますし、本体価格約10万は決して安くないし、まだ数ヶ月月々サポートが残っていたけど、私は機種変更したことを後悔はしていません。
Compactシリーズが良いというこだわりがある方は別ですが、フラッグシップモデルである歴代のZシリーズを使っている人は、全体的にとても満足できると思います。ぜひ、店頭でスーパースローモーション撮影や4K HDR動画を試してみてください。
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