WindowsとAndroidの二刀流!ポケットサイズのコンパクトマシン「GOLE1」を徹底レビュー
中国の通販サイトであるGearBestからGole Technologyの小型PC「GOLE1」を提供していただきました。WindowsとAndroidのDual OSや豊富なI/Oポートなど、ギークには嬉しい変態仕様となっています。
スペック
OS | Windows 10 / Android 5.1 |
---|---|
CPU | Intel Atom X5-Z8300 |
RAM | 2 / 4GB |
ROM(内部ストレージ) | 32 / 64GB |
ディスプレイ | 5インチ IPSディスプレイ |
解像度 | 1280×720(HD) |
サイズ | 135.4×90.4×20mm |
重量 | 200g |
バッテリー容量 | 2,600mAh |
無線 | Bluetooth 4.0・IEEE802.11 b/g/n/ac(Dual Bands) |
コネクタ類 | DCジャック・HDMI・Gigabit Ethernet・3.5mmイヤホンジャック・microUSB・microSDカードスロット・USB 2.0×3・USB3.0・microUSB |
カラー | Aluminium / Golden |
RAM 2GB/ROM 32GBとRAM 4GB/ROM 64GBの2モデル展開で、今回レビューするのは後者です。Dual OSで容量を圧迫することや価格にあまり差がないことを考えると、RAM 4GB/ROM 64GBのモデルをおすすめしたいところ。
開封の儀
ゴム足が1個だけずれていたのが気になりました。また、本体に汚れや細かい傷があり、この辺りはチャイナクオリティを感じます。実用上問題ありませんから、こういう細かいことを気にしない人向けの製品です。
Compatible with both Windows 10 and Android 5.1
起動するとOSを選択する画面が表示されます。任意のOSを選んで矢印ボタンをタップします。このやっつけ感があるブート画面からは玄人向けな雰囲気を感じますね。
本体前面にはハードウェアボタンと、音が悪いおまけ程度のスピーカーが2個配置されています。電源ボタンは1度押下するとスリープ、長押しでシャットダウンになります。また、Android起動時はWindowsボタンがホームボタンとして機能します。
Windowsを使ってみる
インストールされているWindows 10 Homeは多言語に対応しているので、設定から言語パックを追加すると日本語化できます。インターネットに接続して作業してください。
Windows 10でGeekBenchを走らせてみました。悪くないスコアです。数年ぶりにAtom搭載PCを使ったのですが、案外ふつうに使えて驚きました。Windowsを動かすだけで精一杯だった頃とは比べ物にならないくらい快適です。
ドラゴンクエストX ベンチマークソフトを試してみました。設定は標準品質で、解像度は640×480です。推奨スペックが低めのゲームですが、それでも快適なプレイは厳しいようです。そもそもゲームができるようなスペックではないので、過度な期待はしない方が無難でしょう。
ストレージはeMMCで、書き込みや読み込み速度はSSDに劣るもののHHDより少し高速です。これらの記憶媒体はそれぞれメリットデメリットがありますが、eMMCは小型かつ消費電力が低いため、コンパクトでバッテリー駆動するGOLE1と相性が良いと言えるでしょう。
Windows Updateとアプリのアップデートを終えた状態で、空き容量は約31GBでした。筆者は最低限のアプリやデータしか入れないので、これだけあれば十分です。
Windowsを使うならキーボードとマウスがあると便利です。ソフトウェアキーボードを出すこともできますが、画面の半分が占領されてしまいます。そこで筆者はオプティカルマウス付きのBluetoothキーボードを一緒に持ち歩いています。
HDMIでディスプレイに出力して、キーボードとマウスを接続すればデスクトップPCのように使えます。拡張ディスプレイ設定にすると、デュアルモニター環境が完成します。Twitterなどチラ見したい情報を常時表示させておくと便利です。
プロセッサ内蔵グラフィックコントローラのIntel HD Graphicsは、決して高性能ではありませんが、4K(Ultra HD)のディスプレイに接続してみたところ、あっさり出力できました。ブラウジングやOffice程度であれば、普通に使えます。
Windowsを起動した状態からAndroidへの切り替えは「WinToAnd.exe」を起動します。初期状態ではデスクトップにあります。
Androidを使ってみる
ほとんど素のAndroid 5.1がインストールされていて、プリインストールアプリはほとんどありません。あらかじめ入っているGoogle Playストアから必要なアプリを追加できます。
Androidの日本語化はWindowsより簡単で、設定から日本語選択するだけです。日本語を入力したい場合はGoogle Playストアから適当なIMEをインストールしてください。
Androidでは定番のベンチマークアプリを動かしてみました。可もなく不可もなく普遍的なスコアですが、十分実用範囲内です。Geekbench 4はクロスプラットフォームに対応したベンチマークソフトなので、Windows環境で測定したスコアとほぼ同じことが確認できます。
AndroidのFPSデーム「HIDE AND FIRE」をプレイしてみたところ、カクつくことはなく、動作自体に問題はありませんでした。後述しますが、GOLE1はホールド感が悪いため、基本的に手持ち前提のAndroidゲームを快適にプレイすることはできないと思います。
内部ストレージの合計容量は4.82GBで、空き容量は4.40GBしかありません。アプリをインストールしたり、音楽ファイルなどのデータを入れたりするとすぐにいっぱいになってしまいます。できる限り外部ストレージにデータを保存しておくことをおすすめします。
タブレット情報にシステムアップデートがないことから、OTA(Over The Air)アップデートはないと考えられます。記事執筆現在、最新のバージョンはAndroid 7.0 Nougatですが、GOLE1にインストールされているのはやや古いAndroid 5.1 Lollipopです。もし今後OSアップデートがあったとしても、ファクトリーイメージを焼く必要がありそうです。
Androidを起動した状態からWindowsへの切り替えはクイック設定のWindowsロゴ「OS SWITCH」をタップします。
microSDカードでストレージ容量をカバー
microSDカードにドキュメントや画像などのデータを保存すれば、内蔵ストレージを節約できます。フラットになるので、さしたままでも気になりません。最近は大容量のmicroSDカードが安くなってきたので、うまく活用したいですね。
画面保護フィルムは日本で購入できる
ミヤビックスの画面保護フィルムが2種類(光沢タイプと反射防止タイプ)販売されています。傷から保護するだけでなく、指紋を目立たなくさせる効果もあります。
いまいちなところ
一見すると重厚なように見えますが、実は200gで意外と軽量。しかしながら、分厚いことと外部に飛び出たアンテナによって持ち方が制限されるのが少々煩わしいです。持って操作するには不向きだと思います。
正面から見ていると気にならないのですが、斜めから見るとディスプレイが表面より少し奥まったところにあります。角度によっては視差が生じるので、細かいタッチ操作をするときは違和感を感じるかもしれません。
総評
サクッと動画を見たりブラウジングするときはAndroid、腰を据えて作業したいときはWindowsを選択できるのは魅力だと思いました。Androidはタッチ操作に最適化されており、小型な画面で使うならWindowsより快適です。
安価なタブレットPCはmicroUSB1個だけの製品が多くみられます。GOLE1は通常サイズのUSBに加え、HDMIやGigabit Ethernetポートまで搭載していて、変換アダプターを持ち歩く必要はありません。薄さとのトレードオフになるのですが、自立するのが地味に便利なので良しとしましょう。
バッテリーは2,600mAhとやや小さめで持ち時間は3時間程度。モバイルバッテリーがあれば、microUSBケーブルから充電できるのは嬉しいポイント。コンパクトで軽量なので、カバンにポンと入れておきたいマシンです。
※GOLE1は技術基準適合証明を受けていないため、日本国内での使用は電波法に抵触する可能性があります。本記事は、端末の輸入及び使用を推奨するものではありません。
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