タウンWi-Fi、利用規約同意や会員登録をすっ飛ばす”タダ乗り”仕様が明らかになり炎上 セブンスポットは接続遮断
セブンイレブンTwitter公式アカウントへの大量リプライ騒動で話題となっている、無料Wi-Fiに自動接続するアプリ「タウンWi-Fi」。
ユーザーからの意見が殺到したことを受け、タウンWiFi公式Twitter(@Town_WiFi)がアプリの仕組みを公開したところ、新たな問題が明らかになり、大手メディアITmediaで記事なるなど批判が殺到する事態となりました。
タウンWi-Fiとは
そもそもタウンWi-Fiとは、株式会社タウンWiFiが提供する街中の「スターバックスWiFi」「ローソンWiFi」「イオンWiFi」などのWi-Fiスポットを便利に使うことができるアプリです。
Wi-Fiスポットへの接続や認証をアプリが自動で行うことで、Wi-Fiスポットを利用する際に生じる、登録やID/パスワードの入力といった手間を排除することができる便利さがポイント。
その便利さが受け、2ヶ月で100万ダウンロードを突破するほど勢いがあるアプリなのです。
タウンWi-Fiの仕組み
基本的に「7SPOT」や「スターバックWiFi」などの無料のWi-Fiスポットは、何もせずスマートフォンのWi-Fi設定をいじるだけで利用できるわけではありません。
Wi-Fiスポットを提供している事業者の利用規約に同意し、その事業者に対して会員登録を行い、Wi-Fiスポットを利用するIDやパスワードを発行して、使えるようになるのです。
ところが、タウンWi-Fiは各スポットの利用規約への同意(そもそも表示もない)も必要なければ、会員登録やID/パスワードの発行もありません。すべてアプリが自動でやってくれちゃいます!
技術的な仕様
弊社の仕組みを簡単に説明しますと、事前にユーザさんに登録いただいた情報と弊社が各ユーザ毎に独自に発行しているメールアドレスを利用し、各WiFi事業者への会員登録を自動化しております。あくまで通常通りWiFIを利用するのと同じことを自動化しているアプリになります。
— タウンWiFi (@Town_WiFi) 2016年10月20日
当初はどのようにして、自動接続を行っているのか明らかになっていなかったのですが、公式Twitterのツイートにより分かってきました。
ツイートによると、アプリ側でメールアドレスを自動発行し、そのメールアドレスを使って各Wi-Fiスポットに会員登録。その情報を使って、自動接続を可能にしているとのことでした。
あの悪名高いWiFiシェア(荻田剛大)のアプリだからって、本当にダミーのメールアドレスを生成してるわけ……アプリ初回起動時にタウンWiFiのAPIサーバから受け取ってますわ、"@ mail . townwifi . jp"ドメインのメールアドレス。(画像は一部加工済) pic.twitter.com/Y6lnJNXWJR
— biz4g (@biz4g) 2016年10月20日
タウンWi-Fiのアプリがどのような通信を行っているか検証を行ったbiz4g氏(@biz4g)のTwitterによると、アプリの内部では、初回起動時にIDが発行され、そのIDを使った@mail.townwifi.jpドメインのメールアドレス割り振られ、そのメールアドレスを使い各Wi-Fiスポットに登録しているようです。
このメールアドレスは内部でのみ使われているダミーアドレスなので、ユーザーはそのメールアドレスに届いたメールを受信することはできません。
無料Wi-Fiスポット提供事業者は、通常登録されるメールアドレスに対して、メールマガジンや新商品のお知らせなどを送る意図があるので、ダミーアドレスを使って利用されることは”タダ乗り”でしかありません。
また、会員登録による認証は犯罪利用を防止する側面もあります。
利用規約は”一応”確認できる
各Wi-Fiスポットの自動接続設定を行う際に読む必要が出てきませんし、リンクが表示されることもありませんが、一応アプリ内の設定の中に「利用規約」に関する項目があり、そこから各スポットの利用規約を読むことができます。
事業者への許可は取っていない
もちろん各事業者に対して、包括的な規約の整備(タウンWi-Fiの利用規約に同意することにより、各スポットの規約に同意したものとするのような)や、ダミーアドレスを使った利用について許諾を得ていれば問題ないといえます。
しかし、ITmediaの記事によると、接続の交渉をせずにこれら一連の接続を勝手に行っていたようです。
「基本的に、規約を飛ばして接続されるようだ。規約を読まず、会員登録も経ずに、勝手につながれると問題。接続の安全性も担保できない」と考え、タウンWiFiからの接続を遮断したと、同社の広報担当者は話す。「タウンWiFiから直接、接続の交渉も受けていない」という。
また、こちらの記事によれば、すでにセブンスポットから接続は遮断されているとのこと。
他のWi-Fi事業者も追随する可能性
セブンスポット以外のWi-Fiスポットに関しても、同様にWi-Fi事業者に事前交渉は行っていないということで、この問題が大きくなったことで、他のWi-Fiスポットからも接続を遮断される可能性があります。
タウンWi-Fi利用者は全員、内部的に@mail.townwifi.jpドメインのメールアドレスを使っているため、これを弾くだけで比較的簡単に接続の遮断ができるのではないでしょうか。。。
しかし、ニーズがあるサービス
タウンWi-Fiが発表している「プロモーション無しなのに2ヶ月で200万ダウンロード」という数字は、無名のデベロッパーがリリースしたツールアプリとしては、異例の勢いです。
それだけ、「無料のWi-Fiを使いたいけど、会員登録とか設定が面倒くさい。よくわからない。」という要望があるということだと思います。事前にWi-Fi事業者に話をつけるのは当たり前として、安全性の面もクリアして、突っ込みどころのない便利なサービスになることを願いたいですね。
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