LTE Advanced

【解説】「LTE-Advanced」「CA(キャリアアグリゲーション)」とは何なのか、簡単にまとめ

LTE-Advanced

auは、5月8日の2014年夏モデル発表会にて、LTEの次世代高速通信規格「LTE-Advanced」の技術を応用した「CA(キャリアアグリゲーション」、「WiMAX2+」を発表しました。

「LTE-Advanced」や「CA(キャリアアグリゲーション)」など聞き慣れない単語が出てきて疑問に思った方も多いのではないでしょうか。そこで、本記事では「LTE-Advanced」と「CA(キャリアアグリゲーション)」についてわかりやすく解説しようと思います。

LTE-Advancedとは?

国際電気通信連合(ITU – International Telecom Union)が定めた規格に準拠した、第四世代移動通信システム(Fourth generation of mobile telecommunications technology)通称4Gの内の一つです。

現在普及しているLTEの発展規格で、各キャリアが提供しているLTEサービスが下り75Mbps(基地局から端末)/ 上り25Mbps(端末から基地局)に対して、ピークデータレートが下り3Gbps、上り1.5Gbpsという、超高速なデータ通信が可能な規格です。 *1

*1 8×8のMIMO、4×4のMIMOが承認されたことにより、当初予定されていた下り1Gbps、上り500Mbpsから更に高速化されました。

「LTE-Advanced」を簡単にまとめると

  • LTE-AdvancedはLTEの発展系
  • 下りのピークデータレートが3Gbps
  • 上りのピークデータレートが1.5Gbps

注:1Gbps=1000Mbps

CA(キャリアアグリゲーション)とは?

LTEでサポートされている帯域幅を基本単位として、帯域幅の違う電波を複数まとめて通信速度の向上を図るものです。

800MHz帯と2.1GHz帯を例にCAを説明すると

現在は同時に使える電波は1つまででした。

現行通信方法

ですが、上記で説明したLTE-Advancedの技術のうちの一つであるCA(キャリアアグリゲーション)を使うと、複数の電波を同時に使用できるようになり、通信速度が向上します。

CA利用

予定通り導入されれば、国内ではauが初のCA(キャリアアグリゲーション)導入キャリアとなります。

ちなみに「キャリアアグリゲーション」の意味は、「キャリア」は搬送波(=情報を送るための信号)のことで、「アグリゲーション」は、集約や集合といった意味です。つまり、別々の信号を集めてまとめて通信を行うということですね。

自分のスマホでも使える?対応機種は?

残念ながらCA(アグリゲーション)に対応した端末でなければ利用することができません。
2014年5月8日現在、既に発表されている対応予定の端末はau夏モデルの以下機種のみとなります。

  • isai FL LGL24
  • Xperia ZL2 SOL25
  • GALAXY S5 SCL23
  • AQUOS SERIE SHL25
  • URBANO L03
  • Xperia Z2 Tablet SOT21

「CA(キャリアアグリゲーション)」を簡単にまとめると

  • 現行では掴める電波の種類は1つ
  • CA(キャリアアグリゲーション)を利用すると同時に違う電波を掴むことができる
  • auの例だと速度が現行の最大75Mbpsから最大150Mbpsへスピードアップする
  • CA(キャリアアグリゲーション)は対応端末でないと利用できない

総括

LTEが国内で初めて商用利用されたのが、2010年12月24日ドコモのXiでした。それから順に2012年9月12日にauの「au 4G LTE」、ソフトバンクの「SoftBank 4G LTE」と国内3キャリアでLTE商用サービスが開始されました。

そして、スマートフォンの爆発的な普及と共にLTE網の整備も爆発的なスピードで進んでいきました。現在では人口カバー率がほぼ100%までに近づいてきている状態です。ただしその一方でユーザ数増加により通信(トラフィック)の混雑率が上昇し、いわゆる「パケ詰まり」が発生しています。

LTE-Advancedの内の3つの主要技術である、「CA(キャリアアグリゲーション」による通信波の広帯域化、「MIMO高度化」による多アンテナ化、「eICIC」や「CoMP」による小セル化(基地局あたりの収容ユーザ数を減らして混雑率を低下させる)がこの国内のトラフィック混雑率への解消に大きく貢献することを期待しています。

Source:3GPP LTE-Advanced| ITU | 総務省近畿総合通信局

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執筆:sbit
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