モバイルデバイスのバッテリー駆動時間を延ばす有望な5つの次世代技術

battery

携帯電話やスマートフォンの情報を中心としたサイト、Phone Arenaがバッテリー駆動時間を延長するのに有望な5つの次世代技術を取り上げています。

現在の状況

スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスにおいてバッテリー容量や駆動時間は非常に重要です。
技術的には搭載できる新しいメカニズムでも、消費電力が大きかったり待機電力が大きい場合は搭載を諦めなければなりません。

バッテリー容量は技術革新により同じ体積での電力容量の増加や、ディスプレイが大画面化するのに伴うバッテリー自体の大型化などにより駆動時間は伸びていますが、現在主流のリチウムイオン電池の改良だけでの改善はほぼ限界に近づいています。

バッテリーの占める割合

macbook

ラップトップPCについても、CPUなどを搭載したマザーボードはどんどん小型化していますが、それに対してバッテリーの占める割合は驚くほどの大きさまで拡大しています。
バッテリーからの電力供給がなければ何も動作しないので、まさにモバイルデバイスにおける生命線ともいえるでしょう。
最新のMacBookなどはバッテリー自体の形状まで工夫して搭載しているほどです。

次世代の技術

そのような状況の中で更にバッテリー自体を改良したり、駆動時間を延長するための技術として5つが取り上げられました。
具体的には以下のような技術です。

  • Hush
  • WALDIO
  • Pure lithium anodes
  • RF-DC convertors
  • Hydrogen fuel cells

Hush

Hush

Hushは技術というよりも電力消費量を削減するためのバックグラウンドプロセス制御アプリです。Hushの和訳である「静寂」の名の通り、Android機において静寂な時間=電力消費量が低くスタンバイしている時間を確保するのを目的に開発されています。

Andoroid機では、ユーザーのインストールしているアプリなどにもよりますが、バッテリー消費量の45.9%がバックグラウンドプロセスにおいて消費されていたそうです。
これはディスプレイを見て操作するなどユーザーの使用に起因するものではなく、画面がOFFの場合でも実行されているなどユーザーがコントロールする事が困難な領域で半分近くのバッテリーを消費していることになるわけです。

Hushは大学の研究チームやIntelなどにより開発されました。このアプリをインストールするとバックグラウンドプロセスの最適化を行い、彼らのテストによれば16%もバッテリー消費量を低減できたそうです。

Hushは現在、GitHubからダウンロード可能です。開発チームは引き続き改良を行い、バッテリー消費量の削減に向けて努力していくようです。

WALDIO

WALDIO

WALDIOは、ストレージとして採用されているNANDフラッシュメモリを改良することでバッテリー消費量を削減しようという技術です。

NANDフラッシュメモリはHDDのように磁気で記録するのではなく、電気的特性を利用してデータを保持します。物理的に何かを変化させて記憶しているのではないため、電磁特性が減衰して消滅する前に追記する必要があります。
この電気的なデータ保持領域と保存特性を改良することで減衰するのを抑えることができた場合、データの書き込み量は約1/6にまで減らすことができたそうです。

研究チームによるテストでは、これによるバッテリー消費量の削減効果は39%にもなったそうです。

Pure Lithium anodes

pure-lithium-anodes

リチウムイオン電池の改良についてもトライされているようです。3番目として紹介されているのはリチウムイオン電池の電極を改良して容量を拡大しようというものです。

HushやWALDIOはインストールしているアプリや使用環境に左右される可能性も考えられますが、バッテリー自体の改良であれば全てのユーザーに恩恵があります。
製造方法としても高価な貴金属やレアアースを必要とすることもなく、現在使用しているものの改良の範疇に入るのでコスト的にもあまり高くならずに済むのではないかと思われます。

RF-DC convertors

Nikola-cas

これまではデバイス側での改善例でしたが、ここからは供給側のソリューションになります。

RF-ID convertorsはワイヤレス充電の一種です。現在のワイヤレス充電は、Qiなどの電磁誘導方式が普及しています。
このシステムでは充電器の上に対応した本体を乗せることで、電磁誘導により本体に電力が供給されバッテリーが充電されます。

それに対してRF-ID convertorsでは、RF:Radio Frequencies (無線電波)を電気に変換して本体に供給します。
例えばホールなどの広い場所でも、この無線電波を放射しておけば対応した機器は特に意識することもなく充電されるような仕組みを提供することも可能になるかもしれません。

実際の製品としてもNokiaがiPhone 6及びGalaxy S6用として開発したNikolaケースがあります。
このケースはRF源としてWi-FiやBluetooth、LTEなど多くの種類の高周波電波を基に直流電力を生み出します。
これで生み出される電力は微小なので、機器を高速充電するなどの能力はありませんが、テストにおいてはバッテリー消費量を半分以下に抑えるなどの効果も確認されています。

Hydrogen fuel cells

fuel-cell

最後に紹介するのは燃料電池です。水を電気分解すると酸素と水素が発生するのは学生時代の実験などで体験したと思いますが、燃料電池の仕組みはこれとは逆のことを行い電気を取り出すシステムです。
つまり、水素と空気中の酸素を反応させて水に変化する際に発生する電気を利用するわけです。

自動車の世界ではTOYOTAがMIRAIとして市販しました。技術的には既に実用化されてもいるので、今後はスマートフォンなどに収まるような小型化とコストの削減が期待されている状況です。

既に英国のテクノロジー企業であるIntelligent Energy社がiPhone 6用のプロトタイプを作ってテストを行いました。
結果としては1回の燃料電池のセットにより1週間の駆動時間を達成したそうです。
実際にはユーザーの使用環境により使用可能な時間は前後すると思いますが、現在とは比べ物にならない駆動時間が実現されるのは間違いないでしょう。

コストについても燃料電池自動車の普及が進めば相対的に下がってくると思われます。

今後への期待

紹介された技術は既に提供されているものから近々登場しそうなもの、暫くはプロトタイプなどにてテストされるだろうと思われるものまで様々でした。
しかし、技術的には既に実現しているものであり、あとはコストと登場時期の問題だけです。

新技術は十分に安くなるまで、各社のフラッグシップ機にまずは搭載されるのではないかと予想されます。
モデルチェンジ情報やそれに向けたリーク情報では新機種のデザインやCPU性能だけではなく、駆動時間を左右するバッテリー技術にも注目したいと思います。

Phone Arena
iFixit

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