ドコモのMNP優遇・キャッシュバック廃止によって携帯市場はどう変化していくのか

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総務省の料金見直しの求めに対し、NTTドコモでは他社から乗り換え(MNP)するユーザーに行ってきたキャッシュバック施策を廃止する方針を固めました。これに伴い、携帯市場にどう変化するのか考察していきます。

キャッシュバックは既存ユーザーの利用料から

携帯ショップや量販店で「他社からのお乗り換えで○万円キャッシュバック!」と宣伝されているのを一度は耳にしたことがあるかもしれません。これは、他社からの乗り換えでキャリアやお店の指定した料金プラン・オプションに加入すると本体が0円で手に入れるだけではなく、現金や商品券などを貰えてしまうという恐ろしい市場でした。

このキャッシュバックは既存ユーザーの携帯料金から出てきています。長期間同じキャリアを使っていると損をしてしまうシステムに不満が多く集まり、総務省からの指導が入ったようです。これに対してドコモではキャッシュバックを行う販売方法を廃止し、「実質0円」といった販売手法も見直して不公平さを解消しようとしています。この流れを受けてauやソフトバンクでも同様の見直しを検討しているようです。

「同じキャリアをずっと使い続けているんだからちょっとは優遇しろ!」という気持ちもよく分かりますが、新機種を安く持てる選択肢があるのに利用しない手はないです。キャリアとしても長期契約者を優遇するよりも他社からの乗り換えで他社の契約数を1減らして自社の契約数を1増やすMNPを優遇するのは仕方ないことだと思います。

MNPのキャッシュバックが廃止されることにより「本体価格が実質値上げになって買い控えが起こるのではないか」という声も上がってきていますが、総務省の有識者会議では「格安スマホ」の市場拡大や中古のスマートフォン市場の活性化が必要だと提議しています。

来月には各社が値下げプランを発表すると公表していますが、具体的なプラン詳細はまだ明らかになっていません。

不公平さを補うために多くのユーザーが不幸になる道へ

本当に端末割引やキャッシュバックが廃止されたとしても、既存ユーザーへ還元して通信料金が安くなるのか疑問が残ります。むしろ不公平さを補うために多くの人たちが不幸になる道へ進んでしまうのではないかと考えています。

本体価格が実質値上げ・業界全体の衰退

キャリアの料金プランは主に基本料金・電話代・パケット代・オプション料金・本体価格・本体割引で構成されており、本体代金の割賦金を本体の割引で相殺してその差額を支払うパターンが多いです。

この本体割引が”実質0円”のカラクリです。2年間同じ機種を利用すると0円になる仕組みは一見お得に見えますが、途中で機種やプランを変更すると本体割引が無くなってしまうので本体の分割代金がそのまま上乗せされます。紛らわしい表記が無くなるのはいいことに思えますが、実質0円が無くなる=本体割引が無くなるという意味なので実質値上げになってしまいます。

本体が高騰すると新製品が売れにくくなり、キャリアにもメーカーにもお金が入らずに流通がストップしてしまいます。すると国内メーカーが潰れて海外メーカーのミドルスペックのスマートフォンばかりが売れてしまい、業界全体の衰退に繋がってしまうのではないでしょうか。

中古のスマートフォン市場へ供給が減って値段が高騰する

中古のスマートフォン市場は、実質または一括0円で手に入れた状態の良い端末を流しているからこそ一定量の販売があるものの、廃止されてしまうと白ロムの供給が止まって今以上に端末価格は高騰してしまうでしょう。

性能だけ見ればちょっと前の機種でも安定して使える物も増えてきています。しかし、本当の問題は端末の保証や寿命です。

  • 状態の良い端末が市場に流れづらくなるため、故障や寿命が早くなる
  • 破損や盗難に遭ったとしても手厚い保証は受けられない
  • 機種の陳腐化によるOSアップデートの打ち切り
  • メーカーに修理を依頼したとしても費用は全額負担

ショップを利用できなくなると困るユーザーは今でも多くいるので、安易に「中古のスマートフォンを買いましょう!」とは言えないと思います。格安スマホを普及させるにしろ、キャリアの保証は受けられないので

携帯業界の健全化に繋がるか?

この話が実現したらMNPでお得に携帯を買う時代が終わってしまうかもしれません。今では昔と比べてプランや条件も複雑になっていますし、2年ごとに乗り換えるにしても時間と手間が掛かります。これからはMVNOの安いプランに乗り換えて自分に合った最適のプランを見つけるほうが良さそうです。

今後はキャッシュバックではなく魅力的なプランや機種、回線品質やコンテンツで勝負してもらいたいですね。

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