スマホと技適と電波法、海外から個人輸入したスマホを使うと違法!? そのワケとは
世界中で毎年様々なメーカーからスマートフォンが発売されています。
もちろん日本だけでなく、海外でもスマホが数多く発売されています。その中には日本には売っていないスマホも数多くあります。
”日本では手に入らない限定品”と考えると興味が少なからず湧いてきますよね。
でも待ってください。もしかしたらそのスマホ、日本で使うと違法になるかもしれないんです…!
スマホと法律 〜電波法について〜
スマホを利用するに当たって重要な法律があります。それは電波法です。
電波法(昭和25年5月2日法律第131号)とは電波の公平且つ能率的な利用を確保することによつて、公共の福祉を増進することを目的とする法律です。
文字通り電波を利用する際に関わってくる法律となります。
電波を利用?
スマホは電波を利用して通信を行う物です。なので、スマホもこの電波法に大きく関わってきます。
その中でもスマホユーザーと特に関係の深い物が「技術基準適合証明(電波法第38条の2)」通称、技適です。
技適の認可を受けたスマホには上記のような技適マークが刻印されています。
技適マークは、電波法令で定めている技術基準に適合している無線機(スマホなど)であることを証明するマークで、個々の無線機に付けられています。
要するにこの技適マークがついているスマホは「このスマホは日本国内で使ってもOKですよ。」と国から許可を得ているということになります。
技適は日本国内での決まり(もちろん他国にも技適のような仕組み、法があります)ですので、日本国内で正式に発売されていないスマホの多くはこの技適の認可が下りていません。
技適マークが付いていないスマホを使用すると電波法違反になる場合があります。
なぜ電波を使うのに許可がいるの?
電波は多くの人が利用しており、現代社会において欠かせない物となっております。ところが、電波は無限に存在する物では無く、限りがあります。この数に限りがある電波を効率よく使うために国がルールを定めています。
技適マークが付いていないスマホは、電波を効率よく使う(国内において)というルールに従っていません。そのため、技適マークが付いていないスマホを使用すると、知らない間に他人の通信を妨害したり、社会生活に混乱を来すことになりかねません。
何が問題なのか
技適の認可が下りていなくても通信ができてしまうという背景があります。技適の認可が下りていなくても、スマホ自体が日本の電波規格に対応していれば通信できてしまいます。つまり、誰もが電波法違反してしまうリスクがあるということです。
※時々海外から日本に来た人も違法ではないか!と憤慨する方もいますが、現地で契約したSIMカードを国際ローミングしていれば電波法第103条の5により合法となります。
例:「isai LGL22」の場合
isaiがau(CDMA2000)以外にもドコモとソフトバンクなど(W-CDMA)に対応していた!という記事に「ドコモ、ソフトバンクなどのau以外」のSIMカードを利用すると電波法に抵触します。という注釈を記載しました。
isaiは国内で発売されているんだから技適の認可は下りているのでは?と思われる方も居るかと思います。この点について簡単に説明します。
isaiの技適マークはauの通信方式にのみ認可が下りている
総務省の電波利用ホームページ内の「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」ページでisai(LGL22)について調べると、以下の種別の基準をパスしているのかが分かります。
- 第2条第11号の4に規定する特定無線設備:CDMA2000方式携帯無線通信用陸上移動局
- 第2条第11号の8に規定する特定無線設備:CDMA2000(1xEV-DO)方式携帯無線通信用陸上移動局
- 第2条第11号の8の2に規定する特定無線設備:CDMA2000(EV-DOマルチキャリア)移動局
- 第2条第11号の19に規定する特定無線設備:LTE用陸上移動局
- 第2条第19号に規定する特定無線設備:2.4GHz帯高度化小電力データ通信システム
- 第2条第19号の3に規定する特定無線設備:5.2, 5.3GHz帯小電力データ通信システム
- 第2条第19号の3の2に規定する特定無線設備:5.6GHz帯小電力データ通信システム
※CDMA2000方式:auで採用している通信方式
※2.4GHz帯高度化小電力データ通信システム:無線LAN(2.4GHz帯)、Bluetooth
※5.2, 5.3GHz帯小電力データ通信システム:無線LAN(5GHz帯)
※5.6GHz帯小電力データ通信システム:無線LAN(5.6GHz帯)
こうしてみると、ドコモやソフトバンクで利用されている通信方式である「W-CDMA」の認可が下りていないことが分かります。そのため、ドコモやソフトバンクといったW-CDMA方式を利用したSIMを挿して使うと電波法違反となります。
これが、技適マークが付いているのにドコモやソフトバンクのSIMを使って通信すると電波法違反になる理由です。
まとめ
確かに日本国内で販売していないスマホなどは気になるところ。ですが、国内で利用するには技適の認可が下りていなければ使用できないというルールがあります。スマホユーザーの一人一人がこのルールを遵守することによって、円滑な電波社会を運営していかなければなりません。
スマホを海外から個人輸入しようとしている人は今一度この電波法、技適について考えてみてください。
Source:総務省 | アライドテレシス | 技術基準適合証明等を受けた機器の検索
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海外スマホは夢の中で使ってる。無問題。
「技適マーク表示がない端末について、いまのところ指導や順守を強く求められていません。利便性向上が目的のサービスに、それを阻害する形での周知は難しいと思っています。(技適マークがない端末利用に)問題がないとは言い切れないのですが摘発例もないと聞いていますし、積極的に周知するかどうかについては十分に議論されていないというのが現状です。関わる通知が出たら検討することになると思います」 京都市産業観光局
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技適マークがないものは電波妨害になってしまうため、使用すると違反になる。というのなら、改造した端末や日本では発売されてない端末であればともかく、日本で発売されている全く同機種であれば、まずその心配はないわけですよね。
それなのに、「技適マークがないと電波妨害の恐れがあるって・・・・」はやく法の整備を求めたいものです。
7、21、50、144MHZ帯の自作無線機には技適取得して使っている。
人一倍、電波は貴重な資源だと思っている。
昭和25年の法律を振りかざしても
スマホの技適適応は難しいと思うね。
当時、2500MHz帯は無かった筈。
どうやっても職人が削った水晶では発振しない。
軍事用レーダーでやっと電波が使えた周波数帯だ。
グレーゾーンの電波形式
出力が微弱だから混信はならないが
白黒ハッキリさせたいなら
早急に法整備しないといけないと思う。
大出力と周波数帯の規制なら分かるが、世界中携帯で使っている出力も周波数も殆ど同じではなかろうか?電波妨害になるなら、電子レンジの方がよっぽど妨害してると思う。電波を妨害する電磁波は良くて、何故妨害しない電波はダメなのか分からない。そんな所でしか収入を得られない国、恥ずかしいですね。何が経済大国だよ!