携帯電話のシェア、NTTドコモがかろうじて40%を維持 ―キャッシュバックの惨状が明らかに
総務省が20日に発表した2014年3月末の携帯電話などの移動体通信契約者の事業者別のシェアにおいて、NTTドコモがかろうじて40.2%を維持していることが明らかになりました。
多額のキャッシュバックを行っていることで社会問題となったKDDI(au)は25.8%で2位。CMなどで「繋がりやすさ」をアピールをし、他社からの乗り換えのユーザーを呼び込んだ3位のソフトバンクは22.9%。
問題なキャッシュバック
2014年2月〜3月にかけて、新生活に向けた需要や年度末の買い替え需要などを受けて、KDDIを始めとする携帯キャリアが携帯キャリアの乗り換え(MNP)をするユーザーに大幅なキャッシュバックを実施していました。具体的には、大手3キャリアにおいて、アップルのiPhone 5sを乗り換えユーザーに新規一括0円(割賦などはなし)で数万円の現金もしくは商品券でキャッシュバックが行われていました。
行き過ぎたキャッシュバックの背景には、2013年9月から、KDDIとソフトバンクが取り扱ってきたiPhoneシリーズの販売にNTTドコモが新たに加わったことが大きいです。
スマートフォンでのキャリア間の差異がなくなってきた
iPhoneはアップル社のサービス(iCloudやiTunes Storeなど)が携帯キャリアを関係なしに利用することができます。しかしながら、携帯キャリアのサービスはiPhoneでは利用することができますが、端末を販売するアップル社に携帯キャリアが配慮する形で、従来のフィーチャーフォンやAndroid端末並みに携帯キャリアの独自サービスの宣伝はなされていません。
またAndroid端末においても、AndroidはGoogleが提供するプラットフォームであり、大手3キャリアから発売される端末もiPhoneと同じく機能に大きな違いがありません。Android端末では、キャリアの提供する独自サービスを利用することができますが、LINEといったキャリア外のプラットフォームの影響で、各キャリアがauスマートパスなどでキャリア間の大きな差を出すことは難しいといって過言ではないと思います。
そのため、競争において携帯キャリア3社が発売するiPhoneやAndroid端末は、各キャリアで機能に大きな差はなく、ネットワークや通信料金などに重点が置かれることとなりました。
キャッシュバックは市場経済で妥当な流れ
残念ながら、3キャリアは通信料金が既に横並びしており、消費者がドコモ・au・ソフトバンクを選ぶ理由が曖昧になってきました。そのような中で各キャリアがキャッシュバックを付与するのは、市場経済において妥当な流れであります。しかし各キャリアの既存ユーザーから徴収した料金の中から新規ユーザーにキャッシュバックを付与するのは、既存ユーザーにとって不利であり、キャッシュバックは是正しなければなりません。
今回のシェアの発表において、3キャリアがキャッシュバックを付与した形で競争が行われた結果が明らかとなりました。ドコモは「カケホーダイ」などの新料金プランで既存ユーザーへの割引を行っていますが、auとソフトバンクもドコモに追随してキャッシュバックに依存しない競争を行うべきではないでしょうか。
Source:SankeiBiz
こちらもおすすめ
いま、注目の記事
Geekles(ギークルズ)をフォロー
Geeklesはたくさんのガジェット好き(=ギーク)が集まり、ガジェットやオーディオ、アプリ、カメラに関する情報を発信するメディアです。