Qualcomm、最新CPU「Snapdragon 820」を発表 ー2016年のモバイルデバイスはどう変わるか

開発中とされていたQualcommの最新CPU「Snapdragon 820」がついに発表されました。
多くのスマートフォンで採用されるであろうこのCPUの性能を見ていくことで、来年に登場する最新機器についての予測することができます。

基本スペック

CPUSnapdragon 820 2.2GHz 64-bit Kryo CPU
メモリLPDDR4
プロセスルール14nm FinFET
コア数クアッドコア(4コア)
GPUAdreno 530(OpenGL ES 3.1+ and OpenCL 2.0 Fullをサポート)
DSPHexagon 680
Wi-FiIEEE 802.11ad
LTEチップX12 LTEモデム
キャリアアグリゲーション3x20MHz ダウンロード/2x20MHz アップロード
その他4Kサポートの強化、2,800万画素までのカメラのサポート

処理性能は2倍

SD820p

Snapdragon 820は、810と比較してコア数をオクタコア(8個)からクアッドコア(4個)へと半減しつつも処理性能で2倍、電力効率の面では30%の電力消費量の低下を達成しています。
バッテリー駆動時間については現行機種と同容量でもより長時間の使用が可能になります。 

グラフィック性能は40%高速化

SD820g

GPUには前のモデルであるAdreno430から40%高速化したAdreno 530を搭載したことにより、特に3Dゲームなどを実行した場合のパフォーマンスを大きく向上させました。
これにより細部まで詳細なグラフィックを高速に実行することが可能になっており、その性能はゲーム専用機に匹敵するともいわれています。

LTEは下り600Mbps

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LTE通信については新たにX12 LTEモデムが搭載されました。これによりダウンロード速度はカテゴリー12 LTEによる600Mbps超、アップロード速度についてもカテゴリー13 LTEによる150Mbps超を達成しています。
また、新しい技術としてショッピングモールなど回線使用率の高い場所において、小エリアをカバーするコンパクトな基地局による通信技術:LTE-U(Unlicensed)もサポートしています。

超音波指紋認証システム

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指紋認証センサーとしては超音波指紋認証システムであるSense IDを搭載しています。これにより指の表面に汗や汚れが付着していても正確で高速な読み取りができるようになりました。

また、搭載位置についてもディスプレイやホームボタンの表面を含めあらゆる部位への搭載が可能です。読み取り速度については、iPhone 6から高速化したiPhone 6sと同等の性能とアナウンスされています。

IEEE 802.11ad

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Wi-Fi通信に関しては、現在の標準的な規格である802.11ac 802.11ac 2×2 マルチユーザーMIMOに加え、より高速な次世代規格802.11adを搭載しています。
MIMOを用いない基本的な802.11acは、理論値として約6Gbpsの通信速度を誇りますが、実効速度については1Gbps以下の事が多いようです。この速度でも実際の使用環境では十分ですが、今後4Kストリーミングサービスが一般的になった場合はこの帯域幅では不足することが予想されます。

新規格に対応したルーターも来年登場予定です。

気になる発熱については

SD8202

Snapdragon 820では、810で発生していた発熱問題が解消されるかも注目されます。
この点については810の20nmプロセスから14nmプロセスへの変更による電力効率の向上と、コアの減少による熱分布の分散などを目的にした改良を行っている可能性もあります。

来年以降に登場するSnapdragon 820搭載機の登場と共に実性能も見えてくるでしょう。

engadget
Qualcomm Snapdragon 820

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執筆:るうと
ZAURUS PI-6000から始まり、Palm Treoを愛用して現在はApple Productsと楽しく過ごしています。

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