「Cayin N5」を5日間使った使用感をレビュー!音質面では満足するも、機能にはやや不満も

先日輸入した「Cayin N5」を、日常的に使ってみた使用感をお伝えします。国内販売まであと一週間と目前まで迫っているので、購入を考えている方の参考になればと思います。

話題のDAP「Cayin N5」を輸入してみました【開封の儀】
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Cayin N5とは

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DACに旭化成エレクトロニクス製AK4490を採用・2.5mmバランス対応・USB3.0対応・128GBまでに対応したmicroSDカードスロット×2を搭載と、最近のトレンドを網羅したスペックの高さに加え、海外での販売がおよそ$350前後、国内価格でも59,700円と比較的安価なことから注目を集めているDAPです。

スペック

DAC旭化成エレクトロニクス(AKM)製 AK4490EQ
MCUデュアルコア 600Mhz Ingenic Xburst JZ4760
ボリュームTI 製 PGA2311
ヘッドホン出力200mW+200mW @ 32Ω(バランス接続時:300mW+300mW @ 32Ω)
再生周波数帯20Hz-20kHz (± 0.2dB), 5Hz-50kHz (± 1dB)
S/N 比108dB 以下 (A-weighted)
アウトプットインピーダンス0.26Ω
ポート2.5mmバランスアウト、3.5mm ヘッドホンアウト、 3.5mm ラインアウト、 3.5mm S/PDIF 同軸アウト、USB3.0
ディスプレイ2.4inch TFT 400×360 IPS 液晶
バッテリー容量4200mAh
連続再生時間約9時間
本体サイズ111 x 64 x 16.4mm
本体重量195g
内蔵メモリーなし
micro SDカードスロット最大128GB×2
対応フォーマットDSD64/DSD128(DSF,DFF,SACD-ISO), WAV/FLAC/ALAC(24Bit 192kHz)/APE(24Bit 192kHz・Fast/Normal), WMA(24Bit 96kHz),AAC,OGG,MP3など
付属品USB3.0ケーブル、 同軸ケーブル(3.5mm to RCA)、液晶保護フィルム、 ユーザーマニュアル

9/16 追記:スペックシートでは24bit/192kHzまで対応となっていますが、32bit/96kHzの音源が再生出来る事を確認しています。またKOPEK JAPANもTwitter上で「DACスペック上再生可能であり、FWの更新で対応する可能性有り」という旨の発言をしています。

使いやすいUIだが、機能面に不満も

UIは非常にFiiO X5以降のDAPと似通っており、これらDAPを使用した事がある方は問題なく使いこなせると思います。またそうでなくても、フィーチャーフォン(ガラケー)ライクな操作感になるので、大方はすぐに慣れると思います。
一方、タッチUIに慣れ親しみ物理キーメインのモバイルデバイスをあまり使った事が無い方は、操作に少し戸惑うかもしれません。

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日本での販売はまだですが、言語設定には最初から日本語があります。初回起動時に言語を選択できます。

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フォントはいわゆる中華フォントです。設定内に一部中国語が混じっていたり、おかしな日本語訳になっている箇所もありますが、実用上さほど問題ありません。またこれらフォントや表記については、ファームウェアの更新で対応予定とのことです。
ちなみにこの「文件夹操作」とは「フォルダー操作」という意味ですが、これがどういった機能なのか色々試してみましたがよく分かりませんでした。

9/16追記:「文件夹操作」はフォルダスルー機能の事でした。ONにすると「ライブラリー」のフォルダから連続再生が行えます。

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自動シャットダウン系の機能は「無操作電源OFF」と「オートパワーオフ」の2つを搭載。「無操作電源OFF」は音楽を再生していない状態で設定時間無操作が続くと自動的に電源OFFになり、「オートパワーオフ時間」は音楽再生中であろうと設定時間で電源OFFになるスリープタイマーのようなものです。時間はどちらも5分から120分まで設定可能。

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画面OFFまでの時間設定や輝度の変更も行えます。

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テーマはA~Dの4種類あり、カラーと壁紙が変更されるだけでなく各メニューボタンのデザインも異なっています。

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「楽曲設定」ではゲインやフォンアウト・ラインアウトの切り替え、再生モードなどの設定が行えます。

09/13追記:ラインアウトモードでN5に挿しているmini-miniケーブルを抜くと、自動的にフォンアウトモードに戻ります。誤って爆音で鳴らしてしまう危険がなく、安心して使用できます。

ここで気になるのが「デジタルフィルター」ですが、「Cayin N5」ではSHARPからSuper Slowまで5段階のフィルターによって、音の傾向を変化させる事ができます。基本的にはその言葉が示す通り、SHARPなほど音の鋭さがましますが、楽曲によってはあまり違いが感じられないものあります。締まった音が好みであればSHARPに、ゆったりとした音が好みならSuper Slowを選択してください。

ちなみに、日本語設定だとSHARPが「急降下」と訳されて分かりづらいので、ここは改善して欲しいですね。

プレイリスト非対応

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「カテゴリー」からは全曲・アルバム・アーティスト・ジャンルから楽曲を選択できるほか、お気に入り最近再生した曲からも選択できます。
プレイリスト機能はなく、これは人によっては重大なマイナスポイントになりそうです。

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再生画面のアルバムアートは美しいとまでは言えませんが、解像度は400×360なのでそれほど汚くもないです。

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再生中に本体向かって左側面の「メニューボタン」を押すと、再生モードの変更やお気に入りへの登録、ゲイン切り替えなどが行えます。
このメニューボタンは画面オフ時には再生/一時停止ボタンになり、ポケット上からでも操作しやすい絶妙な大きさです。また長押しで画面点灯も可能なので、上部の電源ボタンが押しづらい場合はこちらを使用すると良いでしょう。

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同じく左側面に配置された音量ボタンは、画面オフ時には長押しで曲送り/曲戻しになります。が、曲を戻す際に誤って音量が上がらないか毎回不安です。
画面オフ時も本体前面にあるボタンでの操作で良かったと、個人的には思いますが…。せめて選択できるようにして欲しいですね。

※フォルダスルー機能には対応していたので、一部文言を削除しました。

バッテリー持ちは良い

気になるバッテリー持ちは良い方だと思います。44.1kHz/16bitのFLACを再生すると、1時間で約10%ほど減っていました。連続再生の公称時間は9時間と同程度ですね。実際は端末の操作もあるのでこれよりは短く、私は1日2時間前後の使用で4日目の夜に充電が必要になりました。
また本体の発熱はあまりなく、長時間再生しているとほんのり暖かくなる程度です。DSD音源の再生でもそれはあまり変わらず、持ち運びに支障が出るような発熱はなさそうです。

ホイールなどに改善の必要あり

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ハードとしては既にお伝えしている通り、アルミとカーボンを使用した本体は高級感があり満足度も高く、物理ボタンは非常に使いやすく好印象です。ただし締め付けが固くスムーズに回す事ができないホイールについては、改善が必要かと思います。
次のロットで改善されるとの噂もありますが、そうでない場合、前面左側のボタンでもスクロールは可能なのでこちらの使用をオススメします。

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またハードの不満点として、底面にあるUSBポートおよびmicroSDカードスロットの蓋があります。1つのプラスチック蓋でその全てをカバーするのですが、一度外すとかなり緩くなってしまいます。押し込んでみてもキレイに嵌まる感触がなく、乗っているだけという印象です。全く閉まらないわけではありませんが、ふと見ると蓋が外れているという事も度々起きています。こちらも是非改善して欲しいところです。

音質について

最後に音質についてですが、普段使用しているイヤホンはUnique Melody MAVERICK(ユニバーサル)です。さらにFiiO X3 2ndの音に慣れた状態で比較すると、X3より全体的に押し出しが強く音の輪郭がハッキリしています。低音の量は多めに感じますが、それで高音やボーカルが埋まっているわけでもありません。傾向としてはウォームで、X3と比べ音の厚みもあるリスニング向きの機種ではないでしょうか。X5 2ndは視聴しかした事がないですが、好みの差になるかと思います。
AK4490を採用ということで期待値も高いと思いますが、驚くほど高音質というわけではなく、エントリーモデルからのステップアップや、ある程度コンパクトである程度音が良いもの、という需要に応えられる製品だと思います。
バランス出力については、対応するケーブルを持っていないので不明です。ケーブル購入後に追記しようと思います。

9/13追記 ゲインはできればH(ハイ)をオススメします。L(ロー)より押し出しが強く、クリアな印象です。Lで音量を上げるよりは、Hで音量を絞った方が良いかもしれません。

まとめ

不満点をまとめると、フォント・表記の問題・フォルダースルー機能・プレイリスト・ホイール・底面の蓋が挙げられます。人によってはクリティカルなものもあり、これらの問題が売上にも大きく影響しそうです。
しかしオススメできるポイントが多いのも確かなので、今後の改善に期待したいと思います。

KOPEK JAPAN

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執筆:はとさぶれ
オーディオ系を中心に執筆していますが、スマートフォンやアプリにも興味があります。

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