これが未来のカタチ?背面にE inkディスプレイを持った2画面スマホ「YotaPhone 2」レビュー
ロシアのYota Devicesが2014年末に発表し、背面にも画面があることで話題になったYotaPhone 2を購入しました。初代YotaPhoneからの進化は著しく、スペックや操作性が向上して、とても使いやすくなりました。購入して使い倒したので、レビューしていきます!
高級感あふれるパッケージ
外箱は3つに分かれていて、開くと本体が出てくる面白いギミックです。箱自体の素材がしっかりしていて、高級感があります。
こんなところにSIMカードスロット
側面にあるのは、ボリュームボタンと電源ボタンです。注目して欲しいのは、ボリュームボタンとSIMカードスロットが一体になっているところ。シンプルでいいですね。上部にはイヤホンジャック、下部にはUSBポートとスピーカーがあります。
裏にも画面
YotaPhone 2において注目すべきところはやはり、背面にあるもう1つのディスプレイ。これは一般的な液晶とは異なる特徴を持つE Inkディスプレイ(電子ペーパー)というものです。
E Inkディスプレイは薄くてフレキシブル。その特性を活かして、この薄さとラウンドフォルムを実現しています。
スペック
OS | Android 4.4.3(KitKat) |
---|---|
CPU | Snapdragon 800 2.2GHz Quad-core |
RAM | 2GB |
内部ストレージ | 32GB |
AMOLEDディスプレイ | 5インチ、解像度:1920×1080 |
E Inkディスプレイ | 4.7インチ、解像度:960×540 |
カメラ | アウトカメラ:800万画素、インカメラ:210万画素 |
バッテリー容量 | 2500mAh |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Bluetooth 4.0 |
サイズ(W×D×H) | 69.4 × 144.9 × 9mm |
重量 | 145g |
カラー | ブラック、ホワイト |
その他 | NFC、VoLTE、Qiに対応 |
E Inkディスプレイ用のアプリが入っていることを除けば、ほぼ素のAndroidです。GoogleランチャーやGoogleカメラなどのGoogle純正アプリがプリインストールされています。
好きな画像を表示できるYotaCover
本体内の画像だけでなく、InstagramやFacebookなどの画像も表示可能。下部では新着通知を確認できるようになっています。
機能満載のYotaPanel
E Inkディスプレイにウィジェットを配置できます。イメージとしては、ホーム画面のような感じです。時計、天気、連絡帳、アプリランチャー、Twitter、Facebookなどが使えます。
Androidアプリが起動するのではなく、簡易的なものです。多機能で便利ですが、日本語入力できないのが玉に瑕。
情報収集に便利なYotaRSS、読書ができるYotaReader
文字が小さいと潰れてしまうため、フォントサイズは少し大きめに設定した方が良さそうです。漫画はフォントサイズが変更できず、拡大しないと読みづらいところもあります。ディスプレイサイズがもう少し大きかったら拡大しないで読めたかもしれません。
スクリーンショットを表示しておけるYotaSnap
スクリーンショットを撮影し、E Inkディスプレイに表示します。地図やメモなどを表示しておくと便利です。起動方法はGoogle Nowと同様、ホームボタンを長押しでアイコンへスワイプです。
メインディスプレイをそのまま表示できるYotaMirror
Androidがそのまま背面のE Inkディスプレイで使えます。ただ、表示が粗く、動きも少々ぎこちないのが残念。あまり使い道がないような気がしました。筆者がこの機能を使うのは、アウトカメラをインカメラのようにして使う時の画角確認と、電子書籍アプリのミラーリングくらいでした。
E Inkディスプレイのメリット
背面のE Inkディスプレイは主に電子書籍端末(KindleやKoboなど)に搭載されているものです。メインとしてAMOLEDディスプレイも搭載されているので、メリット・デメリットを知っておくことで上手く使い分けることができるでしょう。
表示内容が消えず、とても省エネルギー
メモリー性液晶なので、表示内容は保持されます。書き換える時しか電力を消費しないため省電力。
外でも見やすい
普通の液晶の場合、屋外では輝度を高くしないと見づらいことが多々あります。E Inkディスプレイは、太陽光下でも画面が反射しにくいので、視認性が高いです。
E Inkディスプレイのデメリット
デメリットは、メインディスプレイで表示すれば解決できます。1台にE InkとAMOLEDのディスプレイを搭載し、いいとこ取りできるのがYotaPhoneの魅力です。
リフレッシュが必要
マイクロカプセルで白黒を表現している関係上、表示内容を変えるとカプセル内の電荷が偏り、残像が現れます。よって、電荷の偏りをできるだけ無くすために、リフレッシュが必要になります。
リフレッシュとは、一瞬白黒反転させることです。画像などを表示をするときは残像が出やすいので、高頻度でリフレッシュしなければなりません。
カラー表示できない
by E Ink
YotaPhoneで採用されているE Inkディスプレイは、モノクローム表示のみに対応しています。E Ink社はすでにカラー表示可能な製品を開発しているので、後継機が出るとしたらカラー表示できるようになるかもしれません。
暗いところでは見えない
by TechCrunch
これはE Inkディスプレイというよりも、YotaPhone 2のデメリットです。フロントライトを搭載していないので、暗い場所では見えなくなります。簡単に言えば、ディスプレイに光源がないのです。
美しさと速さを兼ね備えていない
E Inkディスプレイのなかで、4.7インチでQHDは高解像度で美しい部類に入ります。だがちょっと待って欲しい。画像左は綺麗に表示されていますが、右は中間色がほとんど省略されています。
E Inkディスプレイは表示内容を書き換えるのが遅いので、リアルタイム性を優先している時は表示が粗くなるようです。電子書籍アプリなどはフレームレートが低くなってもいいので、綺麗に表示してほしいものです。アプリごとに設定できるようになればいいと思います。
変わっているけど実用的
他社製品との差別化が難しいなか、面白いコンセプトの製品を出したのは評価したいところ。E Inkディスプレイの使い道は想像以上に多様で、実用面においても満足できる仕上がりでした。
※YotaPhone 2は技術基準適合証明を受けていないため、国内での使用は電波法に抵触する可能性があります。本記事は、端末の輸入及び使用を推奨するものではありません。
Source:Yota Devices
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