”本当に世界で最初に発売する”と宣言するUSB-C外部バッテリーがクラウドファンディングに登場
USB-C端子に対応する外部バッテリーですがAnkerからの発売予定のアナウンスや、KickstarterでのVoltusのキャンペーンなど複数の製品の登場がアナウンスされていますが未だに発売される気配はありません。
外部バッテリーだけではなく、Kickstarterにて大きな出資金を集めたHUB+についてもやはり出荷される見込みがたたない状況です(過去記事)。
皮肉たっぷりに登場
そんな状況を察してか、INDIEGOGOに「本当に世界で最初に発売します」と宣言する皮肉たっぷりのキャンペーン名を持った「XTRON」という商品が登場しました。
キャンペーンの状況
XTRONは9月15日にINDIEGOGOで公開されましたが、それから約3週間を経過した10月7日の時点で4,691ドル、日本円で約56万円しか集まっていません。ゴールまで残り24日にも関わらず目標額の16%の出資状況は決して好調ではないです。
皮肉たっぷりのキャンペーン名がかえって不信感を与えているのか、それとも他の先行製品の発売遅延により失った信頼がこの製品にも影響しているのかもしれません。
製品について
まずはこの刺激的なキャンペーン名で登場しながらも出資状況は好調とはいえないXTRONについて、どのような製品か確認してみたいと思います。
開発と発売予定
最初にキャンペーン名への自信の表れともなっている開発と発売予定に関する状況ですが、INDIEGOGOでの公開は先月ながらも開発は以前から行われていたようです。
公開された工程表では、5月15日に開発が始まり8月15日には先行試作品によりFCCやCEの認可を取得しています。
今後、10月15日には量産を開始し11月15日には初回出荷を予定しています。
このスケジュールが、本当に世界で最初に出荷するという日程的な根拠なのでしょう。筆者もクラウドファンディングサイトにてUSB-C製品に出資していますが、ここまで具体的な情報を出している製品は他にはないと思います。
実際の製品
これほどキャンペーン名に製品とは関係ないフレーズを最初に持ってくる製品も珍しいですが、製品としても魅力的なスペックを持っています。
バッテリー容量
バッテリー容量は13,400mAhの大容量で、iPhone 6sなら6回、Nexus 6Pなら3回のフル充電が可能とアナウンスされています。MacBookについても8時間の動作時間延長を実現しています。
外部ポート
出力ポートとしてはUSB-CとUSB-Aを持っており、MacBookとiPhoneなどを同時に充電することが可能です。
充電端子としては他の多くの外部バッテリーと同じようにmicro USB端子を使用します。
バッテリーセル
内部には日本製のバッテリーセルを用いており、高い信頼性を持っていることもアナウンスしています。
USB-Cコントローラー
Voltusほか開発が難渋している原因とも噂されるコントローラーICについては、TI製のUSB3.1コントローラーICを搭載しています。
コントローラーICの具体的な情報まで明らかにしているUSB-C外部バッテリーは他には無いと思いますので、製品開発に対する自信の裏付けとも感じます。
内部基盤
基盤については4層構造の銅配線基板を用いています。この写真でも比較対象にされている他社製品では2層構造の基盤と表示しており、こういった点にも自社製品への自信と他社製品への皮肉がきいています。
例えばHUB+は、基盤むき出しでのテスト画像公開からアップデートが行われなくなり、コメント欄が荒れていますので、基盤の性能をアピールするのはそれに対して何か言いたげな雰囲気も漂わせています。
価格と発送時期
価格について主なパッケージは下記のとおりです。
- VIP Early Bird:1台 69ドル
- Early Bird:1台 79ドル
- Christmas Pack:特別なカラーリングの2台 159ドル
いずれの製品も11月の出荷を予定しており、これが達成されれば確かに「世界で最初のUSB-C外部バッテリー」という皮肉たっぷりのアナウンスも実現されるわけです。
刺激的なコピーと、いちいち他の製品と比較する製品スペックの説明、しかし今ひとつ人気のない出資状況と見どころの多いXTRONですが何とか実現して欲しいと思うのも事実です。
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