IRKitだけじゃない! スマホから赤外線リモコン対応家電を操作可能にするデバイスが増加中
TVやエアコンなど家電製品のリモコンは赤外線方式を採用したものがまだ多く残っています。
最新の機種ではNFCに対応したTVなども登場していますが、そのためだけに買い換える気にはなかなかならないものです。
そうした家電製品をスマートフォンから操作可能にするデバイスは以前から提供されていましたが、対応するTVメーカーや機器が限られるなど普及していないのが現状です。
しかし、ここにきてKickstarterに魅力的なプロジェクトが登場し始めました。それらを紹介しながらそれぞれのスペックなどを確認してみたいと思います。
デバイスの特徴
過去には赤外線ポートを装備したスマートフォンも多く発売され、赤外線リモコンアプリをインストールするだけで家電製品を操作することも可能でした。
しかし、現在は赤外線ポートが装備されていることは少なくなっています。また、搭載されていたとしても操作する場合は機器とポートの向きを合わせる必要があるなど使い勝手が良いとはいえません。
そこで登場したのがこれらの問題を解消としようとするデバイスです。共通する特徴として以下のような点があります。
- 今使っている赤外線リモコンの信号をメモリさせる事が可能。幅広い機器に対応する
- スマートフォン本体とはワイヤレスで連携
- 操作する機器の向きを合わせる必要はなく、操作可能な距離も長い
一部の機器では対応アプリを使ってさらに多くの機能を提供するなど、機器に付属してきた赤外線リモコンではできない事もスマートフォンとの連携にて提供しています。
IRKit
IRKitは2013年末頃に発売された製品です。他にもいくつかの製品が発売されている中で、この製品がある程度の評価を得て人気を獲得しているのはちょっとした知識があれば設定が完了する簡便性と、SDKを用いてオリジナルの動作を設定できるなど使い勝手と遊び心を両立している点です。
スペックと設置方法
IRKitは高さ62x幅61x厚さ17mm、重さ54gの小さな筐体で、手のひらにのる程度の小さいサイズです。
本体には動作状態を示す青色LEDとリモコン制御用の赤外線LEDが2つ、充電用のmicroUSB端子などが装備されています。電源の供給もこのmicroUSB端子を通しておこないます。
IRKitはWi-Fiネットワークを通じてスマートフォンと連携するので、操作するにはインターネットに接続されたWi-Fiルーターが必要です。設置して最初に行なう必要のあるネットワークを通したペアリングが多少面倒かもしれませんが、iOSデバイスであれば公式アプリの説明を読んで操作すればネットワークプリントの設置経験者であれば問題なく対応可能かと思います。
Androidでも、2015年3月に公式アプリが登場したため設定が容易になってきました。ネット上に使用記事などが多数あるので、そういった記事を読めば難しいことはないでしょう。
操作方法
今使っている赤外線リモコンを登録したら、あとは操作するだけです。登録した赤外線信号には好きなアイコンや名前をつけられるので、どの操作を行なうアイコンなのか迷うことも少ないでしょう。
自分でAPIを組むなど工夫すれば、IFTTTとの連携も可能です。これを利用すればタイマー設定した時間になったら部屋の照明をオンにするといった動作も可能になります。
SmartEgg
スマートフォン本体とをBluetoothでペアリングするだけで使えるようになるのがSmartEggです。
この製品は2015年11月24日にKickstarterにてプロジェクトが公開され、それからわずか1週間を経過した2015年12月1日の時点で既に目標額の半分に近い23,746ドル、日本円にして2,900万円弱の出資を集めています。
特徴
この製品の特徴は、赤外線信号をクラウド上のデータベースからダウンロード可能な点です。現時点でも5,500種類以上ものリモコンが登録され、更に今後も更新されていく予定です。
大きさは高さ74x幅3517mm、重さ28gのたまご型のコンパクトなボディーとなっています。電源には乾電池を利用しており、一般的な使用環境では12ヶ月間の動作期間を実現しています。
操作範囲
操作可能な範囲はSmartEggから機器までは赤外線の到達距離である10mまで、スマートフォンとSmartEggではBluetoothを用いているためより長くなり室内では20mまで可能です。
操作方法
ペアリングした後の操作はリモコンのデータベースをダウンロードし、機器の操作を専用アプリを用いて行います。
自分で好みの設定を記憶させることも可能なのでベッドに入ったら設定した機器の電源を全てオフにするというような操作もタップ1つで可能です。
価格と発送時期
現在の出資状況から考えるとプロジェクトの成功の可能性が高いと思われます。今ならEARLY BIRDに申しこめば30ドル、日本円で約3,600円にて1台のSmartEggを入手することが可能です。
発送時期は2016年2月を予定しています。
Klikr
Klikrは今回紹介する中では最も小型で安価なデバイスです。この製品は2015年11月3日にKickstarterにてプロジェクトが公開されました。
プロジェクトは2015年11月18日に目標金額である20,000ポンドを突破し、残り2日となった2015年12月1日の時点で目標金額の倍以上の42,185ポンド、日本円にして7,800万円弱の出資を集めています。
特徴
この製品は今ある機器ごとに設置する必要があり、操作しようとする家電機器などの台数分だけの設置が必要になります。
こちらもSmartEgg同様に、赤外線信号はデータベースからダウンロードすることができます。また、現在発売されている多機能リモコンのように赤外線信号をメモリさせることも可能です。
大きさは縦横32x高さ9.5mm、重さ10gのコンパクトな形状です。電源にはリチウム電池を利用しており、一般的な使用環境では6ヶ月間の動作期間を実現しています。
操作範囲
スマートフォンとのペアリングはBluetoothにて行います。操作可能な範囲は10mとなっており、一般的な赤外線リモコンの操作可能範囲である5mの倍を実現しています。
操作方法
操作方法は専用アプリを用いて行います。Klikrはボイスコントロールにも対応しており、「ボリュームを上げる」などの操作が音声操作にて実現される見込みです。
価格と発送時期
現在ならEARLY BIRDに申しこめば14ポンド、日本円にして2,600円で1個のKlikrを入手することが可能です。
発送予定時期は2015年12月が予定されていますがアップデート情報やコメント欄を見る限り、実際の発送日時について明確なアナウンスがされていませんので少し遅れるかもしれません。
まとめ
スマホから赤外線リモコン対応家電を操作可能にするデバイスを3種類紹介しました。それぞれの特徴は以下のとおりです。
IRKit
- ネットワーク経由で操作可能など、拡張性が高い
- 既に発売されており、購入も容易
- Web上に多くの情報が掲載されているのでトラブル時の対応も出来そう
- 高機能の分、価格は高め
SmartEgg
- ネットワーク経由での操作は必要ない場合はこれで十分かも
- 質感の高いデザイン
- ワンルームなどであれば部屋中の機器をこれで操作可能
Klikr
- 価格が安い
- ボイスコントロールが使えるアプリ
- 対応する機器の赤外線受光部に取り付ける簡単で確実な設置
部屋の広さやどういった使い方をしたいか検討して選んでみてはいかがでしょうか。
こちらもおすすめ
あわせて読みたい
いま、注目の記事
Geekles(ギークルズ)をフォロー
Geeklesはたくさんのガジェット好き(=ギーク)が集まり、ガジェットやオーディオ、アプリ、カメラに関する情報を発信するメディアです。