中国スマホメーカー・小米科技(Xiaomi)、11億ドルを調達 企業価値450億ドルに -ソニーの2倍、レノボの3倍

12月29日、中国でスマートフォンなどを展開する小米科技(シャオミ)が、シンガポール政府投資公社(GIC)などの投資家から11億ドルを調達したことが明らかになりました。
今回の調達では、小米の企業価値は450億ドルと評価されたそうです。

世界3位のスマホメーカーに

最近のスマートフォン出荷台数で小米は、全世界で韓国・サムスン電子、米・アップルに次ぐ3位となっています。また、中国でも2014年4-6月期の出荷台数シェアではサムスンを抜き1位になるなど急成長をしています。

小米が2010年設立の会社であることを考えると、ものすごい勢いで成長していることがわかります。

世界で最も価値の高い未上場企業

12月上旬に12億ドルを調達したアメリカの配車サービスを展開するUberは、400億ドルの評価額でした。小米はそれを上回る450億ドルと、世界で最も企業価値が付いている未上場企業になっています。

順位会社評価額(億ドル)地域設立年
1Xiaomi450中国2010
2Uber400アメリカ2009
3Airbnb100アメリカ2008
4Dropbox100アメリカ2007

Airbnbは2014年5月頃に調達した際の評価額で、Uberと小米は12月の評価額なので、Airbnbが資金調達などで新たに評価額が付くことがあれば、この順位が入れ替わるかもしれません。

他スマホメーカーの企業価値(時価総額)と比較

上場している企業では時価総額がわかるので、主なスマートフォンメーカーの時価総額と小米の450億ドルを比べてみます。

会社時価総額(億ドル)地域設立年
Apple6473アメリカ1976
サムスン電子1771韓国1969
小米450(評価額)中国2010
ノキア249フィンランド1865
ソニー236日本1946
レノボ146中国1984
富士通110日本1935
LGエレクトロニクス86韓国1958
ブラックベリー58カナダ1984
シャープ37日本1935
HTC37台湾1997

※2015年1月2日23時頃Bloombergより。株価、為替はその時点のものです。
ファーウェイは非上場企業で、特に公に資金調達をして評価額が算定された形跡がなかったので未掲載です。

アップルが桁違いの化け物であることはさて置き、歴史のある携帯電話メーカーと比べても大きく上回っていることがわかります。世界市場で苦戦しているソニーの約2倍、同じ中国・レノボの約3倍です。

小米の抱えるリスク

一見順調そうに見える小米ですが、特許紛争でインド進出が頓挫するといった問題が起きています。
インドでエリクソンから特許侵害の訴訟を受けていて、2015年2月まで販売停止になっています。もし特許侵害が認められるとすると、エリクソンに対してライセンス料の支払いが必要になってくる可能性があります。

そのライセンス料は、端末代に上乗せされる形となり、小米のウリの一つである安さにな打撃を与えることでしょう。同様の問題は、他の国や企業とも起こりうる可能性があるので、小米の海外展開に暗雲が立ち込めているのは事実です。

今後は集めた資金を使い、昨年から進めているスマートフォン関連特許の購入で、知的財産の強化していき、特許訴訟に対する準備をしていくのではないでしょうか。急成長を見せる新興メーカーが、巨人ともいえるメーカーたちを相手に、2015年をどう戦っていくのか注目です。

Source:Reuters | THE BRIDGE | THE BRIDGE | 日本経済新聞

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執筆:スマホペディア

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